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人口の50%超(1,500万人)が新型コロナ感染済みの可能性 68%が抗体保有-ネパール

新型コロナウイルス感染状況を伝える2021年9月3日ネパール保健人口省資料
(2021年9月3日にネパールの保健人口省が公表した、これまでの国内で確認された新規感染者数の推移を示す資料※1。第2波に続けて到来した第3波がピークアウトした様子が見て取れる。)
※1 https://covid19.mohp.gov.np/covid/englishSituationReport/6131f7428276d_SitRep572_COVID-19_03-09-2021_EN.pdf

8月29日、ネパールの保健人口省は人口の68%以上が新型コロナウイルスに対する抗体を保有していることを示唆する調査結果を発表した。これはワクチン接種によるものと実際の感染によるものとを合わせた結果だが、現地メディアのOnlinekhabar.comは、この数字を基に、実際には1,500万人以上が新型コロナウイルスに感染していたとの可能性を報じている※2

29日の同省の発表によれば、この調査は7月5日から8月14日までの期間中に採集された1万3,161人分の検体を検査して行われたもので、これらの検体は国中から採集され、生後6か月以上の人のものが含まれている。その結果、68.6%に抗体が確認されたとしている※3。抗体保有率は、地域、性別、年代、職業、その他の要素による偏りは確認されなかったという。さらに、1度目のワクチン接種を終えた人の80%、2度の接種を終えている人の90%に抗体が確認されたという。同省はこの結果から、「我々が接種しているワクチンは極めて有効だとみられる」としている。

同省はその上で、新型コロナウイルスの変異が続く危険が持続しているとして、引き続き物理的距離の確保やマスクの着用といった感染防止策を徹底するよう呼び掛けると共に、自らの順番がやってきたらワクチンを接種する必要があるとも訴えている。現在ネパールでは、新型コロナウイルス感染と疑われる症状が出ている人には、地方公共団体あるいは政府系医療機関にて無料で検査が行える取り決めになっている。

※2 同メディアは、8月14日時点のワクチン接種者数(回数を問わず)をマイナスすることで、実際に感染したことによって抗体を獲得した人の推定数を算出している。

※3 前出の現地メディアの記事上では68.8%となっているが、感染者数の推定に大きな差は生じないと思われる。

集団免疫獲得に近づいたか

テレビ朝日は8月22日と29日、感染爆発が急速に収まってきたインドとペルーで集団免疫が獲得された可能性について話す専門家の声を伝えている。その根拠とされているのが、抗体保有率が70%を超えているという検査結果だ。

今回、ネパールの抗体保有率もこの数値に近づいていることが示された形だ。現在のネパールでは、感染拡大第3波が懸念されていたが、保健人口省の統計によれば、この波は8月10日に発表された4,904人をピークに、その後一日当たりの新規感染者数は減少傾向に転じている。陽性率も同様だ。9月3日の新規感染者数は1,756人で、PCRテスト陽性率は13.8%であった。8月10日のPCRテスト陽性率28.9%に対し半減以上の数字となっている。

今回の調査結果がネパールにおける集団免疫獲得を示唆するものであったと後に評価されるようになるのか。はたまた、またも新型コロナ感染は増加に転じるのか。当マガジンは引き続き推移を見守っていく。

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