
※1 https://covid19.mohp.gov.np/covid/englishSituationReport/61013c63c1bb2_SitRep535_COVID-19_28-07-2021_EN.pdf
新型コロナウイルスの感染拡大「第二波」で深刻な影響を被ったネパールでは、最近は1日あたりの新規感染者数が下げ止まったまま推移してきたが、ここに来て再び増加に転じてきている。保健人口省が28日に発表した直近24時間の新規感染者は全国で3,840人。これは1週間前の同じ曜日に比べ、1,000人多い数字だ。28日のPCRテストの陽性率は24.1%だった。直近1週間の平均新規新規感染者数も3,024人(小数点以下切り捨て)となっており、前の週の平均2,527人に比べて明確な増加が見て取れる。
ネパールの「第二波」では、5月のピーク時には1日に9,000人以上の陽性者が確認されており、医療用酸素や病床の不足が発生。現地では、病院や火葬場の外で治療・遺体処理が行われている様子が報道されていた。ピークアウト後は徐々に一日あたりの新規感染者数が減少し、1か月後の6月13日には初の2,000人台まで減少。その後、ほとんどの日で2,000人台の一日当たりの新規感染者数となっていたものの、その間もPCRテストの陽性率が20%台という高い水準で推移を続けており、そのことに対する専門家の懸念が報じられていた。26日(月)には、人口保健省は「過去のように感染率が急速に上がって次の波が来ることはないとは言えない」として、各州の関係機関に対しそれぞれ1,000個の酸素ボンベを用意しておくようにと指示を出している。
政府発表によれば、7月28日までにPCRテストと抗原検査のいずれかで確認された感染者数の合計は74万6,657人。3万223人が入院もしくは自宅等で療養中。これまでの死者は9,791人。2回のワクチン接種を終えた人は、人口の約5%にあたる150万3,312人。これには、1回の接種で良いとされているジョンソンエンドジョンソン製ワクチンを接種した33万3,991人が含まれている。
すべてデルタ株
ネパールでは、インドで最初に確認された変異株であるデルタ株への置き換わりが急速に進んできた。
7月27日付の保健人口省による報道発表によると、6月末頃から7月中旬までに国内の様々な箇所から採取された、様々な年齢層の人の47の検体を対象にインドの研究機関でDNA解析を行ったところ、それらすべてでデルタ株の感染が確認されたという。そのうち3例には、A.Y1(K417N)として知られるさらなる変異があることも確認されている。これらは、一時期、デルタプラスとして報道等で注目されたものだ。
約一か月前に行われた同様の調査では、48検体のうち1検体がアルファ株で、残り47検体がデルタ株、そのうちの9体にデルタプラスの感染があることが確認されていた。