
ネパールのビザ管理システムのデジタル化が進んでいる。今般、カトマンズ市カリカスターンにある入国管理局で発行されるビザシールに、6月28日以降QRコードが付くようになった。ネパール入国管理局の発表によれば、最初にこのビザシールを手にしたのは、ポルトガル国籍を持つ男性だったという。公表された名前からすると、ネパール系の人のようだ。今回の変更により、従来発行されて来た手書きのシールは今後発行されなくなる。現時点ではこのビザシールが発行されるのはカトマンズ市の入国管理局においてのみだが、同局の発表の中で責任者は、今後数か月の間に全ての入国管理事務所でも発行できるようにすることを目標としている旨を述べている。
今回の変更はなぜ必要になったのだろうか。
同発表の中での説明によれば、従来の方法で発行されてきたビザシールは手書きであったために記載内容が不明瞭であったり、書き直しが可能であったりしたために、不正が行われる危険性があるなどの問題があったという。入国管理局は、今回の新しいビザシステムにより、同局の一元化された情報システムである「ネパリポート」から印刷が可能になることから、ビザ管理と発行に係わる業務が安定化することが期待される、としている。
同局が発表した新しいビザシールの特徴は以下のとおり。
1. セキュリティ対策としてホログラムがあり、透かしも入っている。
2. ビザシールにはQRコードが印刷されており、それを読み取ることで容易にビザが本物かどうかや他の情報を得ることができる。
3. 記載情報はすべて印字されるため、手書きでの修正ができなくなる。
4. QRコードに収められている情報を変更することはできない。
5. ビザ番号もシステムが発行するため、間違いが起こらない。
6. パスポート1ページに3枚までビザシールを張ることができる(サイズである)。
7. 恐らくネパールで初めてPRNファイルを用いて印刷される。
記者も実物を確認した。これまでの縦長のものから、横長の白いシールに変わっている。背景にネパール政府のロゴが印刷してある。左端にホログラムがあり、QRコードは右側に印刷されている。上から順にビザの種類、ビザ番号、発行日、ビザプラン(複数回入国機能の有無)、パスポート番号(実際のビザシール上では、「トラベルドキュメント番号」となっている)、有効期限、発行場所、発行した担当官の氏名が印字されている。なくなったものは、ネパール政府のスタンプと担当官のサイン。
現地メディアOnlinekhabar.comは、旧システムは45年前のものだったと伝えている。