ネパールに今年もモンスーン(季節風)が到来した。6月11日、同国のエネルギー・水資源・灌漑省の水文・気象学局が発表している。毎年この時期に季節風がもたらす雨によりネパールは雨期を迎える。多くの地域にとって田植えの開始を告げるものとなると共に、毎年多くの水害や土砂災害を引き起こすものともなっている。
同局によれば、ベンガル湾に発達した低気圧域の影響でネパールの東側半分3州(第1州、第2州、およびバグマティ州)にモンスーンが到来したとのことである。「モンスーン到来」とは季節風が域内で吹いたことを意味するネパールの一般的な表現。「モンスーン入境」という表現が用いられることもある。東からネパール入りしたモンスーンは、2日以内に全国に到着する見込みだ。
同局は、今後一週間について、モンスーンの影響が強く見られ、全国的に雨模様になると予想しており、局所的に大雨となる可能性があるとして、警戒を呼び掛けている。現地報道では、今年は例年以上の雨量になるとの予想も伝えられている。ネパールで「大雨」とは、24時間雨量が100mm~200mmに達する雨のことだ。3日間予報では、雷を伴った雨となる予報も出ている。
雨量の多かった昨年は、とりわけ地滑り等の土砂災害が例年以上に頻発し、多くの被害をもたらした。ネパール政府の「災害危機管理ポータル」による統計では、昨年6月11日から今日までの1年間の間に地滑り(土砂崩れ)、落雷、洪水によって、それぞれ301人、63人、39人が死亡している。また、地滑りと洪水による行方不明者も100人おり、500人が負傷している。
ネパールでは、雨と洪水に関する情報の問い合わせ先電話番号として1155、救助要請用電話番号として1149が用意されている。