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首都カトマンズでは累計で12人に1人が感染した計算 ロックダウンは多数の郡が6月14日まで延長

ネパールの新型コロナウイルス感染の拡大状況を示すグラフ
(画像はネパール保健人口省HP「Covid19-Dashboard」のスクリーンショット。日付表示等、原文ママ)

新型コロナウイルス感染拡大が深刻なネパールでは、全77郡中75郡でロックダウン等の行動規制措置が取られている。当初1週間を期限としてスタートした同措置も爆発的な感染拡大を受け、複数回延長されて来た。カトマンズ郡、ラリトプル郡、バクタプル郡の首都3郡では合同のロックダウンが実施されており、5月28日から6月3日までの一週間は日用品店も営業を認められないなど、厳格な措置が取られていた。6月4日からは、規制が一部緩和されたものの、ロックダウン期間は6月14日までに延長されている。他の多くの郡も6月14日までの規制延長を決定している。

ネパール内務省の資料によれば、現時点で6月14日までを期限としているのは、カトマンズ郡、バクタプル郡、ラリトプル郡、カスキ郡、カイラリ郡、カンチャンプル郡、バルディア郡、ダレルドゥラ郡、ジャパ郡、ピュータン郡、バジュラ郡、マクワンプル郡、カリコート郡、アルガカーチ郡、バイタリ郡、ダイレク郡、マホッタリ郡、ドティ郡、ロルパ郡、シラハ郡、シンドゥパルチョーク郡、ラスワ郡、ラムジュン郡の23郡。

その他、ジュムラ郡、テーラトゥム郡が6月4日まで、パルパ郡、バグルン郡、スンサリ郡、ジャージャルコート郡、西ルクム郡、カブレパランチョーク郡、パルヴァット郡、ムグ郡、タナフ郡、バラ郡、西ナワルパラシ郡、イラム郡、ドラカ郡、アチャム郡、ダディン郡、ムスタン郡が6月5日まで、バンケ郡、モラン郡、グルミー郡、バジャン郡、カピルヴァストゥ郡、タプレジュン郡、ダヌサ郡、ドルパ郡、東ナワルパラシ郡、ミャグディ郡、サルラヒ郡、パーツタル郡が6月7日まで、スルケット郡、ダン郡、ゴルカ郡、シャンジャ郡、ヌワコート郡、フムラ郡、サンクワサバ郡、シンドゥリ郡、ボジュプル郡、東ルクム郡が6月8日まで、サリャン郡、ラメチャープ郡、ロウタハット郡、オカルドゥンガ郡、ソールクンブ郡が6月9日まで、チトワン郡が6月10日まで、ウダイェプル郡、ダンクタ郡が6月11日、パルサ郡、ルーパンデヒ郡、ダルチュラ郡が6月13日までとしている。これらの郡の規制実施期間も延長されることが十分あり得る。また、サプタリ郡は期間を明言せず、次の告知があるまで、としている

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計算上、カトマンズではこれまでに12人に1人が感染

これまでの感染状況は実際どれほど深刻な状況なのか。当マガジンは、入手可能な数値を基に、ネパール全国のそして首都圏の人口に対する感染者の割合を計算した。その結果、なんとカトマンズでは、昨年1月からの感染者の総数が人口に対して占める割合が12人に1人を上回る結果となった。3月末に始まり依然収束しない第二波だけに限ってみても、カトマンズ郡の人口26人に対し1人の割合で感染が確認された計算になる。そして、カトマンズ郡では165人に1人、バクタプル郡で93人に1人、ラリトプル郡で104人に1人が現在療養中だ。

ネパール全国ではこれまでに51人に1人が感染 第二波だけでも93人に1人

では、全国的な広がりはどうか。51人に1人がこれまでに感染した、という結果となる。第二波だけでも93人に1人の割合となっている。

もっとも、これらの数字は、飽くまで入手可能な数値による計算上のものだ。正確な人口が把握できないこと、ロックダウンに伴って何十万人という単位の地方出身者がカトマンズ首都圏から地元に帰ったとされていること、症状が出ていてもPCRテストを受けない人や無症状感染者が相当数存在すると考えられること等の理由から、正確な数値は算出不可能だ。

とはいえ、これらの数値はカトマンズを中心にしてネパール全体への感染の広がりを確かに示すものと言えるだろう。

計算に用いた数値の説明

首都圏3郡の計算に用いた数値は以下のとおりだ。

6月4日のネパール保健人口省の発表によれば、同日時点で感染が確認されて療養中の人の数は、カトマンズ郡で1万3,967人、バクタプル郡で4,048人、ラリトプル郡で5,609人となっており、合計2万3,624人である。そして、これまでの累計では、3郡合わせて24万7,924人(カトマンズ郡19万2,784人、バクタプル郡2万622人、ラリトプル郡3万4,518人)の陽性が確認され、2,473人が死亡している。

今年10年ぶりに実施予定だった国勢調査はパンデミックの影響で中止されたため、これらの郡の正確な人口は把握されていないが、2011年の国勢調査を基に2014年8月にネパール政府の中央統計局(Central Bureau of Statistics)から発行された「国家人口居住調査2011(人口予想2011-2031)第8判」によれば、上記3郡の2021年の人口は合計で326万4,532人(カトマンズ郡230万890人、バクタプル郡37万7,660人、ラリトプル郡58万5,982人)と予想されている。これに基づいて計算すると、昨年1月の新型コロナウイルス感染者数の統計開始以降、累計で、感染が確認された人の割合は3郡合計で13.16人に1人という計算になる。 このうち、カトマンズ郡単独では、11.93人に1人の割合に達する。現在療養中の感染者の割合は、カトマンズ郡では164.73人に1人、バクタプル郡で93.29人に1人、ラリトプル郡で104.47人に1人となる。

今回の計算では、一日あたりの新規感染者数が最後に2桁台だった日の翌日、つまり3月29日を第二波の始まりと位置付けている。それ以後今日まで2か月強の間でカトマンズ郡内の感染者として数えられた人は8万9,107人に達している。また、同期間中のバクタプル郡の感染者数は1万1,178人、ラリトプル郡では1万8,038人となっている。これを人口比にすると、第二波の期間中にカトマンズ郡の人口25.82人に対し1人の割合で感染が確認された計算になる。

また、全国の感染状況の計算に用いた数値は以下のとおり。

上述の中央統計局の資料によれば、2021年のネパール全体の推定人口は多く見積もって3,052万6,143人とされている。6月4日までに確認された累計の感染者数は59万2,748人である。保健人口省はPCRテストによる陽性者数のみを総計として公表しているが、4月12日以降は抗原検査による陽性者数もほぼ毎日公表しており、当マガジンではこの数の合計(1万1,188)もPCRテストによる陽性者数と合わせて計算している※1

3月29日の第二波開始以降に確認された感染者数は、PCRテストと抗原テストの結果を合わせて32万7,097人。これに基づいて計算すると、92.32人に1人の割合となる。また、昨年1月以降の累計では51.49人に1人の割合となる。

※1 抗原検査とPCRテストが同一人物に実施された数は当マガジンでは把握できていないものの、すべてが別人に対するテストであると仮定した場合でも、陽性者数の合計が、検査を受けていない感染者の実数を上回ることを想定することは現実的ではないと考えられるため、現在までに確認されているPCRテストの陽性者数と抗原テストの陽性者数の合計を感染者数の最低数と捉えることができると考えている。なお、抗原検査の陽性者数が資料に記述されなかった5月9日から5月13日までの5日間に関しては、陽性者総数とPCR検査陽性者数の差から抗原検査陽性者数を算出している。

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