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ネパール残留邦人等、日本帰国へ  4月10日午後8時、チャーター便離陸へ

新型コロナウイルス感染対策で全土ロックダウンが続いているネパールで、多くの邦人および日本在住ネパール人が取り残されている。日本帰国を望む人たちを載せたチャーター便が、今晩、現地時間20:00にカトマンズを飛び立つ予定となった。これまでの経緯と予定の詳細をたどろう。

3月 立て続けの国際線発着停止措置

3月18日、ネパール政府は3月20日(金)午前0時から4月12日(日)午前0時までの間、ヨーロッパ、西アジア、湾岸諸国、トルコ、マレーシア、韓国、日本からの直行便及び、それらの国を経由地もしくは出発地とするフライトにて到着する全旅客の入国を禁止した。しかし、この時点ではすでに3月10日以降の入国を希望する日本人には新型コロナウイルスに感染していないことの証明書の提出が義務付けられていたため、この新たな措置による日本人にとっての影響は極めて限定的であったと思われる。そして、ネパール出国に関してはこの時点で何もアナウンスされていない。

3月20日を迎えると、3月22日(日)から31日(火)までの間、ネパールを発着するすべての国際線フライトの運航停止が知らされた。同時に、3月23日(月)からはすべての国内長距離バスの運行が停止されることになった。

国内線飛行機は運航が継続されていたが、それも23日夕方に発表され24日午前6時から開始されたロックダウンに伴い、運航停止してしまった。

その時点でネパール国内で感染が確認されている人の数は2人であったことで警戒感は比較的薄かったのだろう。観光シーズンを迎えたネパールには引き続き外国人観光客が入ってきており、観光地ポカラでは外国人観光客の姿をよく見かけた。ポカラを含め地方を訪れている人も多くおり、思わぬロックダウンによって行き場を失ってしまった彼らの、現地メディア等の表現によれば、「救出」が必要となった。現地メディアonlinekhabar.comに掲載された3月25日付の記事には、トレッキングの人気スポットであるルクラに約300人、ナマスルに600人の観光客が取り残されていおり、ネパール観光庁高官の話として3月までに空路で入国して引き続きネパールに滞在している外国人が約1万人おり、そのうち8,000人が観光客であろう、とある。

国際線運航停止は3月31日まで延長  事態は長期化へ

当初の発表で3月31日までとされた国際線運航停止。同記事によれば、ビザ延長の手続きを取った観光客が3,000人いたとのことである。3月21日の時点で、翌日から4月3日までの入国管理局の閉鎖が告知されており、4月1日以降の国際線運航再開を待っての帰国を計画する人も少なくなかったことが伺える。

しかし、事態はさらに長期化する。前述のとおり23日(火)には全土ロックダウンがスタートし、期間は2度延長されて4月15日(水)までとなっている。確認された感染者数がじわりと増加する中、さらなる延長も視野に入ってきた。国際線の運航停止期間はすでに4月31日までに延長されている。

ロックダウン中にネパール政府はヒマラヤ山脈のトレッキングコースにいる観光客の救出を開始した。そして、外国人観光客がネパール各地から唯一の国際空港のあるカトマンズへ到着できるように航空機やバスの特別手配がなされ、4月3日(金)深夜12時まで続けられた。

カトマンズ移送の手配の打ち切りが伝えられた時、ネパールの地方に滞在中で帰国を望む日本人が短時間で対応することが求められた手続き内容について詳しくは、別記事「【至急】ロックダウン中のネパール 日本への帰国希望者は直ちに連絡を」を参照されたい。

下の写真は、4月2日昼にポカラからカトマンズへの特別移送バスを待つ外国人観光客の様子である。日本人観光客にとっては、日本帰国のためのチャーター便が用意されるか否かの確定した連絡がない中でのカトマンズ移動となった。

(旅行者提供写真:4月2日ポカラ市レイクサイドにて撮影)
(旅行者提供写真:4月2日ポカラ市レイクサイドにて撮影)

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4月5日、日本へのチャーター便運航が決定 

ネパール観光庁による外国人観光客のカトマンズ移送が終了した2日後、ネパール航空の運航する成田行きチャーター便について日本大使館が告知した。

その時点での予定は、4月11日(土)午前1時頃カトマンズ発、同日午前11時頃成田着であった。

これはネパールの現地旅行会社によるチャーター便であり、チケットの販売条件は以下のとおりであることが知らされた。

  • 販売価格:ビジネスクラス 2,500USドル(18席)      エコノミークラス 1,800USドル(256席)
  • 支払い方法:現金(USドルのみ)、クレジットカード(VISA,MASTER ※3.63%の銀行手数料が必要)、小切手(USドル口座) 
  • 2歳以上の子どもは全額、2歳未満の子どもは大人料金の10%の支払いが必要
  • 預け入れ荷物は、1人2個まで、および1個当たりの重量23kgまで。

チケット購入方法

チケットの販売日時と場所も指定されており、以下のとおりであった。

カトマンズ市内

旅行代理店名:ネイチャーエクスプレス社(NATURE EXPRESS社)

営業時間:4月6日(月)〜8日(水) 14時〜17時

所在地:Durbarmarg, Kathmandu

電話番号:01-4226985,4230905,4230991

下の写真は当日の様子である。情報筋によれば、締切りの近づく4月8日夕方時点で、当初の想定を上回る175人はチケットを購入したとのことである。

(旅行会社前の道。旅行者提供写真)
(チケットを求めて並ぶ人々。旅行者提供写真)

ラリトプール(パタン)市内

場所:ヒマラヤホテル(Hotel Himalaya)内 ネイチャーエクスプレス社の出張ブース

営業時間:4月6日(月)〜8日(水) 10時〜13時

所在地:Sahid Sukra Marg-10, Lalitpur

電話番号:9851042321,9841314764

ロックダウン中の市内移動はどうするのか

ロックダウン中に航空券購入のために外出しなければならないことから、大使館のホームページにレターか掲載されており、当日はそれを持参して外出することが勧められていた。同様に、出発当日の空港までの移動についても制限されていることから、旅行代理店が特別バスを手配する予定とのことが知らされた。

このバスについて確定情報が知らされたのは4月9日で、チャーター便の2度目の出発時間変更の情報と共に伝えれらたのであった。チャーター便の予定及び特別運行バスの集合場所・集合時間は以下のとおり。

フライト予定

出発日時:4月10日(金) 午後8時  トリブバン国際空港発

到着日時:4月11日(土)午前6時頃  成田国際空港着

(すべて現地時刻)

カトマンズ方面のバス乗り場

タメル

4月10日(金) 集合:15時45分  出発:16時頃

集合場所:Fire and Ice Pizza付近(ファイアアンドアイス)

マハラジガンジ(チャクラパット)

4月10日(金) 集合:15時45分 出発:16時頃

集合場所:Bhatbhateni Supermarket付近(バトバティーニスーパーマーケット)

ラリトプール(パタン)方面のバス乗り場

クポンドール

4月10日(金) 集合:15時45分 出発:16時頃

集合場所:Hotel Himalaya付近(ホテルヒマラヤ)

ジャワラケル

4月10日(金) 集合:15時45分 出発:16時頃

集合場所:Jawalakhel Micro Stand付近(ジャワラケルのバス停)

バスを利用しない人は

やむを得ない事情により各自で空港への移動を考えている人は、日本大使館ホームページ上に掲載されたレターを持参して空港まで移動することが勧められている。空港への移動中に警察に制止されるなどした場合は、大使館代表電話に連絡することができる。

(外部リンク:日本大使館HP掲載レター)https://www.np.emb-japan.go.jp/files/100042703.pdf

 大使館代表電話:+977(1)4426680

ネパール出国手続きに費用はかかるのか

通常の航空券に比べ非常に(約2倍~4倍、あるいはそれ以上の)高額で今回のチケットを購入せざるを得なかった旅行者たち。出国の際にも費用はかかるのであろうか。

4月6日に大使館が発出した情報によると、ロックダウン中にネパールのビザが切れてしまった人は、トリブバン空港でネパール入国管理局職員が更新をする予定であるとのことだ。大使館がネパール入国管理局に確認したところ、ビザの更新手数料として15日間までであれば45USドル(現金。ただしネパールルピーでの支払いも可能)の費用がかかり、ビザが切れてから15日以上経過している場合は、上記手数料の他に1日あたり3USドルの料金が追加されるとのことだ。

しかし、ネパール入国管理局は現在閉鎖中であり、4月8日にその期間を4月15日(水)までに延長している。それに伴って同日ホームページ上に掲示された告知情報によれば、閉鎖期間中にビザ期限を迎える人も、閉鎖中もしくは業務再開後7日以内に出国する人はビザ代、遅延料および罰金が免除されると明示されている。

今回のチャーター便で出国する人たちの気持ちが少し軽くなるニュースである。

空港入り口での健康チェック

新型コロナウイルス感染拡大予防として、空港入り口にて検温が行われる予定となっている。その時点で38度以上の熱が認められる人は、入場を認められず、テク病院へ搬送されて隔離措置が取られるとのことである。この場合キャンセル料は戻らないことが知らされている。

紆余曲折を経て、ネパール航空、本日離陸へ

こうした経緯を経て、ネパール航空成田行きチャーター便は、本日午後8時(日本時間午後11時15分)にカトマンズを出発する予定だ。

記事執筆完了時点で、帰国予定者(と渡航予定者)は皆恐らくすでに昼食を終え、約2時間後に迫ったバスの集合時間に遅れないよう、最終的な荷物チェックなどを行っているところであろうと思う。日本に到着後も14日間の自主隔離が要請されることになるが、旅行期間の思わぬ延長と2週間以上のロックダウン中の滞在を耐え抜いた多くの旅行者にとって、見慣れた風景と久しぶりの日本の食事、家族や友人の声は、疲れきった心と体に格別やさしく感じられることだろう。

(※内容を一部追加しました。)

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