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ネパールの携帯キャリアNcell ロックダウンでサービス強化  値下げ、ボーナス、新プラン等続々と

(写真はNcellの公式HPホーム画面。新型コロナウイルス感染対策について表示されている。4月5日撮影。)

Ncell、サービス強化

新型コロナウイルス(Covid-19)感染対策としてロックダウンが継続中のネパールで、民間携帯キャリアのNcellが続々とサービス強化を図っており、家にとどまらざるを得ない多くの人が一層容易に親族や友人と連絡を取ったり、インターネットを利用したりできるようになっている。さらに、新型コロナウイルス感染を予防するための情報提供も行なわれている。

3月25日以降、5つの特別サービス開始

3月25日、Ncellはロックダウン中の人々の便宜を図り、立て続けに新サービスや値下げを発表した。その後もさらに1つの特別サービスの追加提供と1つのサービスの拡充を発表した。概要は以下のとおりである。

500ルピーまでの残高転送(Balance Transfer)は手数料無料に 回数制限も引き上げ

ネパールの携帯電話料金は基本的にプリペイド式であるが、自分のプリペイド残高を同じキャリアを利用する他の電話番号に送金することができる[mfn]Balance Transferと呼ばれている。[/mfn]。通常この作業を行うと手数料1ルピー(税別)が差し引かれるが、今回の措置でこの手数料が無料となった。

また、通常は1回の転送可能金額はRs.10-Rs.200までと決まっており、1日に3回までという回数制限もあった。しかし、転送可能上限金額はRs.500に引き上げられ、1日あたりの回数制限も20回までに引き上げられた。

プリペイド残高がなくなってしまったロックダウンゆえにプリペイドカードを買いにいけない場合に、残高の残っている家族や友人の助けを得られるように、という措置である。

前借り可能金額の上限引き上げ

プリペイド残高が無くなってしまってものの直ぐに再入金(リチャージ)できる状況にない場合、前借り制度を利用できるサービスがある。*9988#にダイアルすることでRs.40前借りすることができた。次回入金した際に、入金額から前借りした金額と手数料Rs.2(税別)が差し引かれるという仕組みだ。

今回、この前借りできる金額の上限がRs.200に引き上げられた。Rs.2(税別)の手数料は変わらない。

プリペイド金額に対し120%のボーナス付与

ボーナス付与自体は3月25日に他のサービスと共に発表されたが、その際には有効期限1日の50%のボーナスであった。Ncellは翌日改めてボーナス率を120%に引き上げ、有効期限も3日に延長した。これは、3月26日以降の入金分から適用される。

ボーナスというのはつまり、Rs.50を入金した場合、その120%であるRs.60分のサービスが無料で受けられるということである。通話、SMS、およびインターネットの利用すべてで使える。ただし、通話とSMS送信においてボーナス分の金額が適用されるのは、通話相手やSMS受信者もNcell利用者である場合に限られる。他社の番号に発信・送信すると、入金したRs.50から料金を差し引かれるので注意が必要だ。

230ルピーで15GB使える新しいインターネット料金プラン「Stay Home Pack」開始

Ncellはインターネット利用のための様々な料金パッケージを提供している。あくまでプリペイド式であるので、プリペイド残高を使ってパッケージを購入することになる。例えば、記事執筆時点で、30日間有効の16GBのパッケージは税込みRs.1,024だ。

しかし、在宅でテレワークをする人を想定して、「Stay Home Pack」が開始された。これは、有効期限7日間のパッケージで、合計15GBまで利用できるパッケージである。料金はRs.230(税込みRs.293.69)だ。ただし、飽くまで仕事用をうたっているためか、このパッケージを利用してインターネット利用ができるのは午前0時~夕方6時の時間帯に限られている。(※後に有効日数は10日間に延長されたため、その旨追記します。)

合計15GBの意味についても触れておきたい。10GBはすべてのネットワーク回線で利用でき、5GBは4G回線でのみ利用できる。したがって、4G回線がまだ開設いない地域では、これは10GBのパッケージであるということになる。

インターネット使用料の25%値下げ

インターネット用の料金パッケージを購入しなくとも、インターネット利用は可能だ。この場合、使用量に応じてプリペイド残高から利用料が差し引かれてゆく。

しかし、4月2日(木)から、ロックダウン中の期間、この場合の利用料が25%値下げされることになった。通常、通信容量1MBあたりRs.2(税別)のところ、ロックダウン中はRs.1.5(税別)になった。

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IIJmio(みおふぉん)

iOSでは“Ncell”の表記が“#Stayhome”に

さらに、米apple社のiOSを搭載した端末(iPhone,iPad等)では、通信キャリア名が“Ncell”ではなく“#Stayhome”に変更されている。家にとどまるようにと、Ncellも呼びかけている。

(左上のキャリア表示が#Stayhomeに変わっている)
(コントロールセンターの上のキャリア名表示も#Stayhome 4Gだ)
(Android携帯では、左上のキャリア表示はNcellのままである)

電話やSMS(ショートメールメッセージ)で新型コロナ対策の情報提供も

最近ネパールでは、+9779800010010という変わった番号から携帯電話に電話がかかってくるようになった。出てみると、「コロナウイルスに感染しないために…」という自動音声の案内が始まる。ネパールの保健人口省がNcellの回線から発信している自動音声メッセージだ。ロックダウンが始まると、メッセージの内容にも変更が加えられ、コロナウイルスは用意に人から人へ感染するのとの警告と共に、ロックダウン中に取るべき安全策について全体で37秒間のメッセージが流れるようになっている。こちらから上記の電話番号にかけてこのメッセージを聞くことも可能である。

また、SMSを利用しても情報提供がなされている。記者のもとに最初にSMSが届いたのは3月3日(火)13時12分だった。内容は「コロナウイルス感染を防ぐために定期的に石鹸と水で手を洗いましょう。可能であれば不必要に人込みに行かないようにしましょう。咳をしたりくしゃみをしたりする時は鼻や口を覆いましょう」というものであった。

その後3月4日(水)にはNcell-CSRというタイトルに変更され、定期的にメッセージが送られてきた。

ネパール国内での新型コロナウイルス感染に対する危機感の高まりと共に、内容は変更されていく。3月21日に受け取ったメッセージは以下のとおりだ。

「コロナウイルス感染を防ぐために定期的に石鹸と水で丁寧に手を洗いましょう。人込みを避けましょう。咳をしたりくしゃみをしたりする時には腕で鼻と口を覆いましょう。握手やハグをする代わりにナマステをしましょう。熱や咳の症状がある時には注意深くありましょう―保健人口省とNcellから公衆衛生のために継続」

ロックダウンが3月21日に始まった後は、29日(日)に3度同じメッセージが届き、その主な内容は以下のとおりであった。

「コロナウイルス感染症は人から人へ容易に感染するので、定められたロックダウン期間中の外出はやめましょう。必需品の購入に行く時には、最低3フィートの間隔を保ちましょう。」そして、各自の自覚を促すメッセージが続いていた。

※ネパールの携帯電話の仕組み

昨今、日本でも端末とSIMカードを切り離して販売する動きが強まっているが、ネパールではそれは当然のことである。携帯電話端末は、外国に出稼ぎに行っている親族が贈ってくれたネパールでは未販売の端末を含め、世界中のメーカーの様々なものが使用されている。それに対して電話回線を提供しているのは国営のNTC(Nepal Telecom)と民間のNcell(Ncell axiata)という2大キャリアである。自分の使用する携帯電話端末が何であれ、この2社と回線契約を結んでSIMカードを購入すれば、通話やインターネットが使用できるようになる。

料金の支払いは基本的にプリペイド式である。公式ショップで現金を支払うことも可能であるし、オンラインで入金することも、近所の日用品店でプリペイドカード(ネパールでは、「リチャージカード」と呼ばれる)を購入することもできる。しかし、最後の方法が一般的である。

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