Webマガジン ニュース・オブ・アジア

ネパールの大気汚染が再び深刻化 カトマンズ、ポカラ、チトワンも

記事公開日: 2021年3月29日
ネパールの車両税金センター前に駐車中の大量のバイク ネパールで大気汚染が深刻化中だ
(カトマンズ市サーノバリェンの交通センターに納税等で訪れた人たちのバイク。撮影=2021年1月6日午後0時10分59秒。)

ネパールの大気汚染が再び深刻化 カトマンズ、ポカラ、チトワンも

カトマンズを中心に再びネパールの大気汚染が深刻化している。3月27日にはネパールの保健人口省がプレスリリースを発し、カトマンズにて呼吸困難等が引き起こされる危険があるとして、住民に対して屋内待機を緊急に呼び掛ける事態となった。

ネパールの森林環境省がウェブサイト上で公開している「空気質モニタリング」によれば、3月29日の時点で、首都のあるカトマンズ郡内のバイシパティ観測地点における空気質指数(AQI)1記事下の用語解説を参照。は233に達している。これは、7段階のうち、危険度が高い方から3番目にあたる「とても不健康」とされる数値だ。「すべての人が健康へのより深刻な影響を経験し得ることを意味する健康注意報発令の引き金となり得る」レベルとされている。

さらに深刻な汚染状況を記録したのは、チトワン郡のサウラハ観測ポイントで、3月28日の空気質指数は337に達した。これは、「危険」レベルとして分類されているレベルで、「健康上の緊急事態警報発令の引き金となり得る。すべての住民が影響を受けることがより一層想定される」と説明されている。「危険」レベルは2段階に分かれているが、これはそのうちの下のレベルに該当するものだった。

極西州カイラリ郡ダンガリで「極めて危険」レベル計測

ところが、3月29日、この記事の作成中に、これらを大きく上回る数値が計測され発表された。午後6時20分にアップデートされた、カイラリ郡ダンガリの429だ。この時、PM2.5は184.6µg/m³、PM10は532.79 µg/m³、空気中の総浮遊紛は638.9 µg/m³であった。瞬間的な計測値とはいえ、空気質指数429は「とても危険」に該当し、7段階のうちの最悪レベルだ。(空気質指数の最大値は500。)

同様に、同日午後6時6分にアップデートされた情報によれば、カトマンズ市中心部のラトナパーク観測ポイントにおいても空気質指数331が計測されている。これは28日のソウラハと同じ「危険」レベルである。

汚染はポカラ、ビラトナガルでも 全国的に深刻な状況

ネパールは、前述の都市のみならず、全国的に大気汚染に見舞われている。記事執筆時点で公表されている「昨日24時間」の記録によれば、唯一サウラハ観測ポイントが「危険」レベルを計測していたが、カトマンズ盆地内3地点とカスキ郡ポカラ市の2地点で、それに次ぐ「とても不健康」レベルが計測されている。さらに、その下の「不健康」に該当した観測ポイントは、数値が高い順にダマク、ダンガリ、ビラトナガル、ララ、ダンクタ、ダン、ネパールガンジ、ジャナクプル、ジュムラ、マヘンドラナガル、ラトナパーク、DHM(ポカラ市内の1地点)の12地点だった。東西南北に渡って汚染が広がっているのが見て取れる。

人々の健康への影響が懸念される。

保健人口省の呼びかけ内容

3月27日に発出されたネパール保健人口省の呼びかけ内容は、以下のとおり。

「天候の突然の変化に伴ってカトマンズ盆地内の大気汚染が非常に進んでいます。これにより、呼吸困難など様々な健康上の問題が引き起こされ得ます。現在の大気汚染の状況を考慮し、大気汚染によって公衆衛生にもたらされかねない影響を抑えるため、急遽以下のとおりの行動をとるよう関係各位に保健人口省は要請します。

1. 屋外で過ごさない、遊ばない。朝の運動に出かけたり屋外で運動したりする習慣があるなら、このような状況ではやめましょう。児童、持病のある人、高齢者は特に注意しましょう。

2. ゴミは、(自分で)燃やすことをせず、正しい仕方で処分しましょう。誰かがゴミを燃やしているなら、やめさせましょう。

3. 外出を控えましょう。外出せざるを得ない場合は、マスクを確実に着用し、新型コロナウイルスのために定められた公衆衛生規則を守りましょう。

4. 砂埃や煙が発生する種類の職種、商売、建設は数日の間停止しましょう。数日後に再開するにあたっては、砂埃や煙の発生を抑える対策をしましょう。

5.車両の不要不急の使用はやめましょう。車両や業務の理由で起こり得る大気汚染の原因を抑えましょう。」

※用語解説 : 空気質指数(AQI)

「Air Quality Index」の略称。米国環境保護庁(EPA)が各地点の大気汚染の状況を数値化して分かりやすく6段階に分けて色分けして示したものが代表的で、地表近くのオゾン、粒子状物質、一酸化炭素、二酸化硫黄(亜硫酸ガス)、二酸化窒素の五大大気汚染物質を基に計算される。AQIの指標は、汚染された大気を吸ってから数時間から数日以内に顕れうる健康被害に的が絞られている。

数値は0-500までであり、0-50が「安全」、51-100が「中程度汚染」、101-150は「影響の出やすいグループの人にとっては不健康」、151-200は「(すべてのひとにとって)不健康」、201-300は「とても不健康」、301-400は「危険」、401-500は「とても危険」となっている。301以上の「危険」と「とても危険」は色分けは同じとなっているため、数値上は7段階、色分けは6段階となっている。

他の幾つかの国でも同様の取り組みがなされている。

編集部によるPick Up!
  • カトマンズで鳥インフル発生 3000羽以上を殺処分 (2021年2月2日公開)
  • 【コラム】文化や需要に合わせ進歩してゆくインド家電(2020年11月8日公開)
  • ヒマラヤ山脈はコロナ過でも観光客を楽しませていた(2020年10月30日公開)
  • ネパールの大気汚染が過去最悪レベルに (2021年1月16日公開)
  • 雨期のネパール、地滑り頻発のポカラ—カトマンズルートを行く(2020年9月8日公開)

PR

ネパール語でお困りですか?

合同会社アジア・パブリック・インフォメーションがお手伝いいたします!

最新 Topics