
コロナはあらゆることを変えていく。今年は、観光ビザで丸一年ネパールに滞在することが可能になった。それも、閏年の今年は366日、だ。
通常、ネパールの観光ビザは1年のうち120日まで取得でき、事情があればさらに30日分を申請することが可能だ。ただし、その際は、30日以内に出国することの証明として航空券の提示等が求められることもある。この日数は毎年西暦の1月1日にリセットされる。つまり、例えば2019年中に150日間観光ビザにてネパールに滞在した人でも、2020年1月1日以降は再び150日までの滞在が可能になる。2019年8月4日に観光ビザでネパールに入国した人は、途中で延長・更新の手続きに行きさえすれば、そのまま年をまたいで2020年5月29日まで連続でロングステイすることも可能だった。これが、本来の制度であり、「Visit Nepal 2020」と銘打って観光業を大いに振興する目標が掲げられていた今年も、当初はこの点に変更はなかった。
それを、コロナが変えた。春の観光シーズン真っただ中にロックダウンを行うことになったネパールは異例の入国管理対応を余儀なくされてきた。本マガジンでも報じてきたとおり、観光ビザで滞在していた外国人の出国期限は一度8月に設定され、その後、12月15日まで延長された。1月1日からずっと滞在していた人であれば、従来の日数を200日も上回る350日間の滞在が認められた格好だ。
しかし、異例対応はさらに続くことになった。出国期日が近づいた12月9日、入国管理局は新たな通知を出し、期日内に出国できない外国人は12月31日まで観光ビザを延長できる、と発表したのだ。とはいえ、これまでとは異なり、ビザ代のみならず、遅延料と罰金も徴収されることになる。原文は英語でのみ出されており、以下のとおり。
「Notice Regarding Tourist Visa Regulation of Foreigners in Nepal
Foreign nationals with tourist visa regulated till 15th December 2020 and unable to return their home country due to covid-19 pandemic, can regulate their tourist visa with regular visa fee, late fee, and penalty until 31st December 2020.
Date: 9th December 2020」
1月1日以降は年が変わるため、通常の観光ビザを取得することが可能になりそうだ。そうなれば制度上は、観光ビザで最長2019年8月4日から2021年5月30日までの連続滞在も認められることになるだろう。
まさに、異例の年となった。
(※一部内容を追加しました。)