ネパールの保健人口省が公表している数字によると、11月3日、新型コロナウイルスによるネパールの死亡者数が1000人を超えて1,004人になった。さらに、11月4日には30人増えて1,034人となった。1日あたりの死者数が30人に達するのはこの日が初めて。7月に感染者の増加が始まって以来10月からさらに感染スピードが速まっているネパールでは、報告される1日あたりの死者数も増加しつつある。
同省によれば、11月4日の時点で治療中の感染者が500人以上のいるのは、第1州のジャパ郡、モラン郡、スンサリ郡、バグマティ州のカトマンズ郡、バクタプル郡、ラリトプル郡、チトワン郡、マクワンプル郡、カブレパランチョーク郡、ガンダキ州のカスキ郡、東ナワルパラシ郡、およびルンビニ州のダン郡とルーパンデヒ郡の13郡となっている。
その中でも突出しているのは引き続き首都のカトマンズ郡で、現在1万6,420人が治療中だ。1,000人以上が治療中である郡は、カトマンズ郡に続いて人数が多い方から順に、ビラトナガル市などがあるモラン郡の2,471人、カトマンズ盆地内に位置するラリトプル郡の2,274人、ダラン市があるスンサリ郡の1,591人、ネパール有数の観光地の一つであるチトワン国立公園があるチトワン郡の1,376人、ブトワル市があるルーパンデヒ郡の1,229人、やはり有名な観光地であるポカラ市があるカスキ郡の1,210人、カトマンズ郡およびラリトプル郡と並んでカトマンズ盆地内に位置するバクタプル郡の1,114人である。
全国で、自宅療養(字義:自宅隔離。以下、「ホームアイソレーション」)中の感染者は30,131人、ICUで治療中の患者は379人、人工呼吸器が使用されている患者は78人である。
下の表は、ネパールの保健人口省が開設している新型コロナウイルス関連状況を周知するための特設サイトで見ることのできるものだ。10月5日~11月4日までの3か月間に、カトマンズ郡だけで65,000人以上への感染が確認され、モラン郡やラリトプル郡でも1万人に達する勢いであったことが分かる。

同省の報道官ジャゲシュオル・ゴウタム氏は、4日の記者ブリーフィングにおいて、ホームアイソレーション中の感染者とその同居する家族に対して以下の呼びかけを行っている。
- 回復済みの元感染者のアドバイスではなく、医療従事者の指示に従って薬を服用するように
- 自宅で忙しくしているようにして気を紛らわすように
- 味覚が失われて食欲がわかないとしても、免疫力を高めるために栄養価の高い食事を摂るように
- 親族や友人と電話で話して寂しさを紛らわすように
- 朝昼晩の3回熱と(血中)酸素濃度を測るように
- 症状が悪化した場合には、知り合いの医療従事者もしくは1113,1115,1133に電話して必要な情報を得るように
- 症状が悪化した場合にどの医療機関に行くか、また誰に連絡するかを事前に計画しておくように
- 家族がホームアイソレーション中であれば、その家族全員がマスクをするように
- 衛生に気を配るように
- 物理的距離を保つように
- 必要なアドバイスやサポートを得ることができるため、感染したことを近所の人に隠さず伝えるように
- 自分を守り、他の人も守るように
さらに、新型コロナウイルスの検査場となっているすべての医療機関について、陽性反応が出てホームアイソレーション中の感染者に対して電話によるサポート体制を整備しなければならないとの決定がなされたことも発表されている。