新型コロナウイルス感染防止策として3月下旬から公共交通機関の運行が禁止されてきたネパール。最後まで規制が続いていた長距離バスの運行が9月17日に解禁されたことを受け、ネパール政府の交通管理局(यातायात व्यवस्था विभाग)は22日、必要性の低い移動は避けるよう、また、陸路での長距離移動をする際には各自で弁当を持参するようにと呼び掛ける文書をホームページに掲載した。抜粋の訳文は以下のとおりである。(※訳文中丸括弧内は、意味を分かりやすくするための弊社による注釈です。)
「世界的に流行しているコロナウイルス感染がネパールでも日々拡大し続けている今般の状況においては、移動は必要不可欠な活動のためだけに限りましょう。乗客を安全に目的地まで送り届けるのは全関係者の責任であり、移動の途中に気ままにどこででも(つまりレストラン等に立ち寄って)食事を取ったり、乗降したり、不必要な移動を行ったりするとコロナ感染が拡大する危険があるため、乗客は旅の最中に必要になる食べ物を可能な限り自宅からパッキングして持参するようお願いします。並びに、道路沿いで営業中のホテルやレストランも、旅行者に対して清潔な食べ物をパッキングした上で提供するようお願いいたします。」
なお、ネパールにおいては250km以上の移動が長距離移動として定義づけされている。道路の状態や交通量、天気等にも影響されるが、ネパールでは250kmのバス移動には平均で7-8時間は要するものと見込んでおいた方が無難だ。もっとも、この呼びかけ自体は長距離移動のみを対象としたものではないが、250km以上の旅程となると、道中何も食べずに過ごすという選択肢を全員が取れるわけではなくなってくるだろう。
11月上旬、再度ロックダウンか
ネパール政府が公表している数字によれば、9月23日までに確認された累計感染者数は6万7,804人、現在感染者数は17,414人。累計死者数436人。現地報道によれば、保健人口省は、現在感染者数が25,000人を超えた時点で再度のロックダウンを推薦すると発表している。この1週間の1日当たりの平均新規感染者数は弊社集計で1,345人※1、同期間の1日当たりの退院者数平均は1,179人となっている。したがって、新規感染者数が退院者数を166人上回っており、今後もこのペースで新規感染と退院が続くと仮定すれば、現在感染者数が25,000人を超えるのは今日から46日後という計算になる。
※1 小数点以下四捨五入。以下同様。