新型コロナウイルス対策として3月22日からストップしていた国際線フライトの定期運航が間もなく再開されるネパール。当初の発表では、ネパールに到着する便への搭乗は、外交官等一部を除いてネパール国籍者に限って許可されることになっていたが、条件を満たす外国人留学生に対してもネパールへの入国を認めることが8月30日の閣議で決定されたようだ。8月31日に複数の現地メディアが伝えている。掲載されている文面からだけでは一部曖昧な点が残るが、条件を整理すると、入国を認められるためには、(1)ネパールで修学したりテストを受けたりする必要のある外国籍の学生で、(2) 72時間以内のRT-PCRテストの「陰性証明書」を持ち、(3) 関係教育機関への在学を証明するものを根拠とした教育科学技術省からの推薦があること、が必要だ。そして、ネパール到着後、ネパール政府の定めるすべての保健規則を守ることが求められる、となっている。(※なお、この文面は8月31日の時点で内閣公式ホームページにはまだ掲載されていない。)
さらに、1日あたり500人までに制限されるとされていたネパール到着人数が、800人に引き上げられることも発表されている。さらに、ネパールにいる家族が死亡したり、重病であったりなど、ネパールに来る特別の事情がある非居住ネパール人(ネパール国籍離脱者、NRN)の搭乗も認められることも決定されている。
8月31日現在、ネパールでは新型コロナウイルスの累計感染者数が39,460人に上り、死者数は228人に達している。直近1週間の1日あたりの新たな感染者数は969人。8月20日には、1日あたりの全国の新たな感染者数がこれまでで最高の1,221人に達しており、累計で最も感染者数が多いのは首都カトマンズ郡の4,522人となっている。(※数字はネパールの保健人口省の発表に基づく。)ネパール政府は、国内線フライト及び、郡境をまたぐ車両の通行を禁止する措置を9月15日まで延長している。その他、各地方自治体毎に新型コロナウイルス対策が行われており、カトマンズ郡を含めたカトマンズ盆地内の3郡(カトマンズ郡、ラリトプル郡、バクタプル郡)では、9月2日(水)午前0時までの間、外出禁止令が施行されている。