PCRテストの対象拡大へ
7月22日にロックダウンが解除されて以来、新型コロナウイルスの感染者数が増え続けているネパールで、8月7日、24時間以内の新たな死者が5人発生し、合計の死者数は70人に達した。8月に入ってからの7日間で20人が命を落としたことになる。
直近24時間に確認された感染者数は464人で、カトマンズ盆地とパルサ郡ではそれぞれ100人を超えた。保健人口省の報道官ジャゲシュオル・ゴウタム氏はこの日の定例記者ブリーフィングにて、新規に陽性確認される感染者が外国からの帰国者に限られなくなったことに言及した。その上で、PCRテストの対象範囲を広げることを説明し、以下の項目に該当する人にはPCRテストが実施されることを伝えている。
① 以下の6つの症状のうち、1つでも該当する症状のある人
- 発熱
- 咳
- 呼吸困難
- 嗅覚がきかない
- 味覚がきかない
- 下痢
② 感染者の接触者
③ 呼吸に問題のある人
④ 前線で働く医療従事者及び治安当局者
⑤ 外国からの帰国者
⑤ 感染が広がっている地域から来た人
⑥ 持病のある人
⑦ ICUで治療中の人
⑧ 手術を控えた人
⑨ 重病の治療を終え退院する人
同氏はまた、ネパールにおける今後の感染者数の推定も公表し、最悪の場合で、8月9日(ネパール歴では、サウン月25日)までに91,000人、中程度の感染の広がりで8月18日(ネパール歴では、バドウ月2日)までに31,000人とした。
「SMS」を強調
感染予防策として、ネパールの保健人口省は「SMS」を徹底するようにと呼びかけている。「SMS」とは、「ソーシャルディスタンシング」、「マスクの着用」、および「サニタイジング(消毒)」の頭文字を取ったものである。さらに、8月6日に出された要請が繰り返して強調されている。その内容は以下のとおり。
・国公立・私立病院やオフィスにおける会議、シンポジウム、セミナーなどの集まりの開催をどんなものでも直ちに中止し、中止できない場合はバーチャルなもの※1にする
・インド国境地帯の郡では感染率が高いため、郡・市・村の各地方政府、NGO、政治家、教師、学生その他の職業の人々は、安全策を講じ、また、安全策を講じる雰囲気を作る
・感染の疑いのある人は、検体を採取した後、結果が出るまでは確実に隔離生活を送る
・カトマンズ盆地を含め、人口密集地帯でコロナ感染が拡大しているため、病院のベッド、医療器具、人員に不足が生じる可能性があるため、不要不急の外出を避ける、2mの距離を保つ、確実にマスクを着用する、そして石鹸と水で手を洗う、もし不可能であればサニタイザー(手指消毒剤)を使用するといった公衆衛生規則を守る
・医療機関はスタッフがシフト制で働けるように調整し、また医師、看護師、その他の医療スタッフに確実に公衆衛生規則を守らせる、またその記録をつける
ネパールでは8月6日より、再び行動規制が強化されている。
※1 つまり、オンラインのことと思われる。