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ネパール、ロックダウンによるビザの有効期限切れは不問に

ネパールでは6月15日にロックダウン緩和の初日を迎え、すべての政府機関が再開した。

約3か月におよぶロックダウン期間中にビザの有効期限を迎えたネパール滞在中の外国人は少なくない。彼らの扱いをどうするか。度重なる変更を経て、再開後1週間経った今、6月17日付の告知の内容で確定したようだ。滞在日数が5か月を超える場合の対応や、現時点での観光ビザ発行について等、イミグレーションオフィス(入国管理局。以下記事内、「入管」)にて直接確認した内容を添えて解説する。

ビザ手続きの基準日は、2パターン

これまで入管が掲載してきた告知ではすべて、入管の査証業務が再開された日付が基準とされてきた。入管の査証業務が停止した3月21日まで有効期限のあるビザを持っていた人は、入管が再開するまでの間にビザの有効期限切れを迎えたとしても、入管の査証業務が再開した7日以内に手続きに行けば、その期間までの遅延料や罰金はかからないというものであった。また、同様に、入管の査証業務再開後7日以内にネパールを出国する人に関しては、入管での手続きは不要で、有効期限切れ以降の滞在日数に関しても一切の費用負担なく出国を認められる、というものであった。この基準日が、変更された。

変更後の基準日は、以下の二つのパターンに分かれている。

ネパール出国を希望する場合

ネパール出国を望む人たちの場合、変更後の基準日は、国際線フライトの再開日である。入管の業務再開日ではない。

そして、無料の出国期限も7日から15日に延長されている。要約すると、こういうことだ。

出国希望者は、国際線フライトが再開された日から15日以内に出国すれば、3月21日以降ビザの有効期限が切れていても、ビザに関して一切の費用は生じない。入管に手続きに行く必要もなく、直接トリブバン空港に向かうことができる。つまり、出国の日までビザ無しでの滞在が認められる。

とてもシンプルだ。ポカラ入管の担当者の説明によれば、国際線フライトの再開がどれ程遅くなろうとも、(仮に12月になろうとも、)再開後15日以内に出国する人に関しては、ビザの手続き(費用)を一切必要としない。逆に、例えば国際線フライトが今日突然再開された場合は、無料で出国するためには何としても15日以内に出国しなければならない。国際線フライトが再開されたところで安心してもう少し観光を楽しんでから出国する、というわけにはいかないようだ。

引き続きネパール滞在を希望する人

もちろん、ネパール滞在中の外国人全員が出国を望んでいるわけではない。ネパール人の配偶者・親族、留学生、ビジネスマン等々、引き続きネパールに滞在する予定の人たちも少なくない。その場合の手続きは、国際線フライト再開とは関係がないので注意したい。

基準日は、8月14日だ。この日までに「なんとしてでも、カトマンズに着く」必要がある。(ポカラ入管の担当者。)これらのビザの発行・更新を受け付けているのはカトマンズの入管のみだからだ。

そして、その手続きの際に、ビザの有効期限が切れた日から手続きをした日までのビザ代を支払う必要がある。この場合のビザ代とは、観光ビザを取得したとみなして1日あたり3USドルでの計算になる。そして、もちろん、新たに取得する(更新する)ビザのための料金も支払う必要がある。

ポカラ入管は観光ビザの延長受付を停止

People at Immigration Office,Pokhara,Nepal,June17 2020,am.1014
(ネパール・ポカラの入管前に集まる人々。2020年6月22日午前10時14分撮影)

6月17日、ポカラ入管は、観光ビザの延長手続きを中止した。筆者が理由を訪ねると、現時点で8月14日までの観光ビザを取得するのも、カトマンズでビザの切り替え・更新等の手続きの際に観光ビザ代を支払うのも、費用面では同じことだから、との説明を受けた。

とはいえ、ネパールではこういったこともすぐに変更になる可能性がある。どうしてもポカラ入管にて観光ビザの更新を望むという人には直接問い合わせることをお勧めする。

観光ビザ(滞在日数)がすでに5か月を超えている人

ネパールの観光ビザは、年間で最大150日までしか発行されない。それで、気になるのは、ロックダウンの影響で滞在予定に大幅な変更が生じ、すでに滞在日数が150日を超えていたり、あるいは国際線フライトの再開を待つ間に150日を超えてしまう人たちの扱いだ。ポカラ入管の担当者の説明によれば、今年は5か月を超えていたとしても、そのことは一切問題にならない、とのことだ。そして、従来どおり、翌年1月1日になれば滞在日数のカウントがリセットされる。

特に影響を受けるのはどんな人か

今回の措置により、首都カトマンズやポカラ市[mfn]ポカラ市にある入管では、観光ビザの延長のみが可能。他のビザに関しては、すべてカトマンズ市内の入管で手続きを行う必要がある。[/mfn]以外に滞在中の外国人は胸をなでおろしたことだろう。それは、6月15日にロックダウン緩和第一段階の一環として入管を含めたすべての政府機関が再開されたものの、住民が複数の郡をまたいで移動することはまだ認められていないからだ。それで、地方に滞在中の人の場合、以前の告知に基づいて入管再開後7日以内に手続きを行うには、短い時間で荷造りし、何とかして通行証と交通手段を手にした上で、カトマンズやポカラまで陸路の長距離移動をする必要があった。しかし、この措置によって、そういった移動が不要になったのだ。

また、筆者が入管を訪れた6月18日には、ネパール人女性との結婚を控えているという男性も入管に来ていた。彼の説明によれば、ロックダウウンで彼の国の大使館が閉まってしまい、婚姻手続きを進められずにいるとのことだ。観光ビザの150日間という期限を心配しなくてよくなったのは、ひとまず安心だろう。8月14日までに、彼の手続きは終わるだろうか。

国際線フライト再開の見込み

では、出国希望者の基準日となる国際線フライト再開はいつになるのか。

The Himalayan Times Onlineが6月19日に報じたところによれば、現在ネパール政府は8月1日に国際線フライトを再開する方向で準備を進めているとのことである。(Nepal plans to resume domestic, int’l flights from August 1/The Himalayan Times 2020.06.19 )この通りに事が運べば、ネパールを出国する人も、継続して滞在する人も、手続きのための基準日は1日しか変わらないということになりそうだ。

8月1日は政府が発表しているロックダウン緩和第3段階目(最終段階)にあるはずだが、国際線フライトが再開されるとなれば、複数の郡にまたがっての移動も認められると予想される。そうなれば、カトマンズやポカラ外に滞在中の外国人にとっても、手続きのための移動はずいぶんと容易になっていることであろう。

ビザのオンライン申請とは

immigration Notice Jun17,2020

入管のホームページに6月17日夕方18時付で掲載された告知によれば、ビザのオンライン申請ができるとなっている。一部で誤解が生じているようだが、このオンライン申請は新しいものではない。これまでと同じように事前登録を済ませるという意味であり、実際のビザ取得には入管に出向くことが必要とされる。さらに言えば、オンライン申請時に入管に出向く日付も指定されるとのことである。申請者にとって手続きが簡素化されたり、オンラインですべてが完結するようになったという意味ではないのでご注意いただきたい。

今後のさらなる変更はありうるか

ここで解説したものは、6月14日以降4日間に大小様々に3回変更されたルールの現時点で最後のものだ。入管再開後2日間は、従来の告知内容に反して遅延料や罰金の徴収も行われていた。筆者は、今観光ビザを取得しておかないと、後に再びルールが変更されて追加の費用がかかることにもなりかねないのでは、との懸念を窓口の職員に伝えてみた。彼女は、こちらの懸念に同意するように少し疲れた表情で素直に笑いながら、この数日間について自分の感想を述べた。そして、もう変更はないから安心するように、と無邪気な笑顔を向けてくれた。実のところこの職員の言葉には何の効力もないのだが、筆者はネパールの個々の人のこういうところも、嫌いではないのである。

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