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ネパールのロックダウン6月15日から緩和、第1段階スタート

新型コロナ感染対策で3月24日から続いていた全国ロックダウンが、6月15日から緩和される。緩和は段階的に行われ、第1段階は21日間、その後第2段階と第3段階としてそれぞれ15日間が置かれることとなっている。それで、この後新型コロナ感染の抑え込みが順調に推移した場合でも、全面的にロックダウンが解除されるのははさらに51日間後となりそうだ。

そして、あまり報道はされていないが、政府発表によれば、1つの郡で200人以上の感染者が出た場合は再び全面的なロックダウンが施行されることになるので覚えておきたい。また、条件付きでの許可となったものもある。

許可される活動と引き続き禁止される活動は以下のとおり。(木曜日の政府発表後、一部はすでに適用されています。)

ロックダウン緩和第一段階初日のネパール・ポカラ
(緩和第一段階の初日、ポカラ市のプリットゥヴィ・ハイウェイ。2020年6月15日撮影)
  • 穀物、野菜、果物、牛乳、乳製品、卵、魚、肉等の食品や飲料の生産、輸送、および販売
  • 飲料水供給
  • 石油製品(ガソリン等)の輸送と販売
  • 電力供給
  • 消防及び救急
  • 報道
  • 通信
  • 郵便
  • 銀行、金融業、基金および保険
  • 全ての農業と畜産業
  • 製造業
  • 民間の会社、店舗、食品売り場のあるデパートメントストアの営業
  • ゴミ処理
  • 開発活動(民間によるものも含む)

  • 河川の土木資源や鉱物資源の発掘、採集、および運送
  • 林業
  • すべての医療関係機関(私設クリニックを含む)
  • 教育機関の事務所(授業を除く)
  • 政府機関の事務所、窓口
  • レストラン(持ち帰りのみ)
  • 徒歩での外出
  • 自転車の使用
  • オートバイの使用(条件付き)
  • 自家用車の使用(条件付き)
  • 従業員輸送用車両の使用(条件付き)
  • ホテルの営業(隔離施設としての使用のみ)
  • すべての運送業

(リストには、必要不可欠なものとして、すでに許可されてきたものを一部含みます。すでに許可されてきたものに関するさらに詳細のリストはこちらをご覧ください。)

許可の条件

上記リストの許可されたものの中には条件付きのものがあり、条件を満たさない人たちが警察の取り締まりの対象となっている事例があるため、注意が必要だ。

従業員輸送用車両

従業員輸送用として車両を使用する場合には、シート1列につき1人までのみの乗車が認められる。また、乗員は全員マスクの着用が義務付けられるとともに、手指消毒剤(サニタイザー)を準備することも条件となっている。

ホテルの営業

ホテルの営業は、隔離施設としての利用のみが認められている。当サイトでもすでに指定ホテル一覧を掲載しているが、今後帰国者が増えるにつれて、使用されるホテルも増加する可能性がある。

民間会社、金融業者、教育機関、政府機関

民間会社、金融業者、教育機関、政府機関では従業員の2シフト制を敷くことが義務付けられている。第1シフトは8時から11時まで、第2シフトは11時から18時までである。

また、教育機関は事務所での仕事のみが認められており、授業の再開は許可されていない。

さらに、民家の会社や店舗も業種によっては引き続き営業が禁止されているものもあるため、この後に掲載してある禁止事項の一覧表をご確認いただきたい。

バイク等の個人用車両

バイクや自動車等の個人用車両は、‟奇数偶数方式”での使用が認められる。つまり、奇数の日付では奇数ナンバーの車両のみ使用でき、偶数日付には偶数ナンバーの車両のみ使用できる、という仕組みである。

しかし、これはネパールで用いられているヴィクラム歴の日付であることに注意してほしい。例えば、6月15日はアサール月1日にあたる。向こう1か月間は2つの暦で奇数日と偶数日が一致しているため問題ないが、7月16日になると、その日はサウン月1日となり、ここから奇数偶数がずれるため、その頃までにまだこの方式が有効であった場合は注意が必要だ。

また、認められる乗車人数にも制限がある。バイクは運転手のみその他車両は運転手を含め3人までとなっている。ネパールではバイクの2人乗りが一般的であるため、すでに施行されたこの規則を知らなかった人たちが警察の取り締まりの対象となっていることが報道されている。

許可の背景

ネパールでは7月の中頃に新しい会計年度を迎えるため、6月中旬から始まるアサール月は年間の総決算月にあたる。ネパール政府報道官によると、各種の会社・店舗・政府機関等の再開を許可したのは、これが理由である。そして、事務所内での2シフト制を要求しているのは、道中だけでなく建物内でも2メートルの物理的距離を保つことを可能にするためであると説明されている。

引き続き禁止されるもの

以下の活動、施設等はロックダウン緩和第一段階では許可が見送られた。

  • 指定された通過ポイント以外からの国境越え
  • 教育活動(塾・家庭教師、学校、大学、トレーニングセンター)
  • 国際線フライト(許可されたものを除く)
  • 国内線フライト(許可されたものを除く)
  • 郡を超えての移動(字義どおりには、車両による移動)
  • 会議、訓練、シンポジウム、セミナー
  • 集会、大会
  • デモンストレーション
  • 娯楽施設
  • 動物園、博物館、公共図書館
  • スパ、床屋、美容室
  • 宗教施設
  • 公共施設
  • 健康促進施設(スイミングプール、ジム等)
  • ショッピングモール
  • 団体スポーツおよびスポーツ競技場の利用
  • 公共交通機関

禁止事項にまつわる補足情報

ロックダウン中に認められているネパールへの陸路入り口

在インドネパール大使館のアナウンスによれば、現在ネパール入国のための国境通過ポイントとして認められているのは、イラム郡パスパティナガル、ジャパ郡カーカルビッタ、モラン郡ラニ、サプタリ郡クノウリ、シラハ郡タディ、シラハ郡マーダル、マホッタリ郡ビッタモード、サルラヒ郡マランガワ、ロウタハット郡ガウル、パルサ郡ビルガンジ、ナワルパラシパスチム郡マヘシュプル、ルーパンデヒ郡ヴェラヒヤ、カピルヴァストゥ郡トウリハワ、カピルヴァストゥ郡クリシュナナガル、バケ郡ジャムナハ、バルディア郡グラリヤ・スラジュプル、カイラリ郡ゴウリファンタ、カンチャンプル郡ガッダチョウキ、バイタディ郡ジュラガート、ダルチュラ郡ダルチュラの合計20箇所である。

郡を超える移動

郡をまたぐ移動は禁止されているが、カトマンズ盆地内の3つの郡(カトマンズ郡、バクタプル郡、ラリトプル郡)は例外とされており、この3つの郡間の移動には制限がない。

また、実際には、カトマンズ盆地内で就労している人たちが地元から戻って来られるように手段が用意されている。カトマンズ郡庁が発出した告知によれば、カトマンズ郡内の住所のある市への入境許可を求める申請を現在滞在中の郡庁に行うことで、カトマンズ盆地内への入境許可証を得るための手続きを開始できるとのことである。

各地で開催されているデモ活動で外国人逮捕者も

現地報道によると、6月14日、政府のコロナ対策に対する抗議デモに参加した5人の外国人も逮捕・拘留された。もう1人も連行されたが、実際にはデモへの参加者ではなく、他の用事で現場に居合わせただけであることが確認されたとして、その後解放されている。

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