
ネパール中央銀行(国家銀行)は16日、ネパールの経済状況を示す様々な数値を載せた「国家経済金融現況」を公表した。ネパールの会計年度末にあたるこのタイミングでの公表となっている。
それによれば、2022年7月中旬の消費者物価指数は+8.08%だった。昨年同時期には+4.19%であり、約2倍の速度で物価上昇がもたらされていることが伺える。また、「世界的な燃料と食料品の高騰、サプライチェーンの混乱、そして対米ドルでのネパールルピー安が年度後半に物価上昇圧力となってきたものの、年度前半には物価上昇が最低水準だったことから、年間の平均物価上昇率は6.32%にとどまっている」。昨年度は年間平均で3.60%の上昇だった。
今年度もっとも大きな上昇率を見せたのは食用油脂で、前年比26.13%の上昇となった。2年間で48.24%上昇したことになる。食料品・飲料品の分野では今年この他に、豆類が9.92%、酒類が8.57%上昇している。肉類は6.60%、乳製品・卵は6.80%、ソフトドリンク7.91%、果物は7.51%上昇した。下がったのは野菜と香辛料のみで、それぞれ0.97%と1.5%低下している。食料品・飲料品全体としては年間平均で5.69%の上昇した。
サービス業では、交通サービスで15.82%の上昇を見せていると共に、教育分野でも8.78%の上昇、家具・家電で7.09%、娯楽・文化分野で6.68%上昇している。サービス業全体としては、年間平均で6.83%の上昇。昨年度は2.59%だったことからすれば、物価上昇の速度は、食料品・飲料品よりもサービス業の方が速いようだ。
地域別では山間部での物価上昇が最も大きく、6.87%。続いて南部平野(タライ)で6.87%、ヒマラヤ山脈で6.07%と続いている。これに対し、首都圏3郡からなるカトマンズ盆地では5.73%となっている。
全体としての経済成長率は5.84%の見込み。GDPに占める割合は、農林水産業が23.95%、工業14.29%、サービス業61.76%となっている。
※タイトルの誤解を招きかねない表現を改めました。また、本文中の表現も調整しました。