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入国規制大幅緩和で観光客増加のネパール トリブバン国際空港到着ロビーの今

(この記事は2022年4月時点の情報に基づいています。)

ネパール政府は3月16日、新型コロナウイルス対策として敷いてきた入国規制を大幅に緩和した。直ちに反応があり、入国管理局の発表している統計によると3月には合計4万2,006人の外国人がネパールに入国した。2月に比べて2倍以上に増加したのだ。3月がネパールの観光シーズンであることもあって観光客の増加につながっているという要素もあるものの、増加のペースは顕著だ。現地メディアの報道によれば、これは新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来最多の人数となっている。

日本からの入国者も、2月の84人から190人に増加した。4月1日には日本政府もネパールを含む世界106か国に対する「渡航中止勧告」を解除したこともあり、今後の増加が見込まれる。パンデミックが宣言された月となった2020年3月は507人だったが、2018年3月には4,051人がネパールを訪れていた

この期間内に、現時点でネパール唯一の空の玄関口であるトリブバン国際空港ビルディングは、大幅に改築された。とりわけ到着ロビーの変化が大きい。入国時に必要となりそうな情報をお伝えする。

入国管理局が公表している統計には2019年分の掲載がない。

ワクチン接種証明・PCR陰性証明の確認

記事執筆時点でネパール入国に必要とされる書類は、①新型コロナウイルス用ワクチンの接種完了証明か、PCR検査陰性証明のいずれか(以下、「証明書」)、そして②新型コロナ危機管理調整センターの国際旅客到着フォーム(通称:CCMCフォーム)だ。

証明書は、降機後、空港ビルディングに入った所で提示を求められる。入国審査場に続く通路にデスクが設けられており、係官が2人座って目視による確認を行っていた。1枚1枚の確認に割く時間は短く、2回接種した記述があるかどうかのみに目を通している様子であった。証明書にあるQRコードも読み取られることはなかった。

その後、オンアライバルビザのためのオンライン申請フォームを入力済みの場合はビザ代金を支払い、入国審査に向かう。オンライン申請していない場合は、証明書チェック終了後にホールに入って右側に設置してある端末から必要事項を入力できる。

CCMCフォームは入国審査で

CCMCフォームは、入国審査時に提示が求めらることになる。しかし、記者が入国した時には、提出を求められることはなかった。隣の列に並んでいたネパール人と思しき女性は、プリントしたフォームのバーコード下に記載されている番号だけを口頭で求められていた。

蛇足だが、「CCMC」の今の正式な略称は「CCMCC」である。しかし、センターが設置された当初の略称「CCMC」が現在も通用している。

大きく変わった到着ロビー

改築で大きく変化したのは、到着ロビーである。

入国審査後、保安検査を経て預け入れ荷物を受け取るところまではこれまでと同じである。違うのは、ここからだ。以前は右側にすぐに出口があったが、その通路は閉鎖されている。その代わりに、左側に前方に向けてまっすぐ伸びる通路ができている。

SIMカードの購入

もし、携帯のSIMカードを購入したいならば、通路の手前右側にカウンターを設置しているNcellを利用できる。パスポート用の顔写真を持っていれば、ここですぐにSIMカードを購入できる、パスポートのコピーが取られ、簡単な申請書類に名前やビザ番号などを記入すれば終わりだ。

NTCのカウンターは、通路に入った後すぐ右手にある。スタッフ二人が大きな声で呼び込みを行っていた。立地的には確かにNcellに対して分が悪い。その上、Ncellはさらにもう一つのカウンターをその先に設けている。Ncellのスタッフたちの余裕ある仕事ぶりと、NTCのスタッフの懸命さが対照的だった。

NTCのスタッフは「1分でSIMカード」を売りにしており、パスポート等本人証明書のコピーを取った後、顔写真を受け取り、申請書の3箇所にサインを求めて、すぐにSIMカードを渡した。後の記入は彼らの方で行う、ということなのだろう。

なお、以前とは異なり、空港内随所に両替所が設置されている。入国審査場にある両替所ではこの日のは1円=0.965ルピーだったが、入国審査後にある両替所のレートは1円=9.70ルピーだった。それでも、市中銀行の方がさらにレートが良いということは知っておくとよい情報である。

プリペイドタクシーは通路を出た後で

空港からの足として便利なのがプリペイドタクシーだ。ネパールのタクシー利用時につきものの料金交渉や、目的地到着後に事前に同意した額よりも高い金額を要求されるといったようなトラブルを避けやすい。

このカウンターは通路の先、右側に設置されている。ここで行き先を伝えて料金を払い、受け取った用紙を持って1階に降りて建物の外に出ると、黄色いベストを来たタクシー運転手たちがそれを見つけてすぐに車を手配してくれる。

もっとも、必ず黄色いベストを着ているかどうかは定かではないようだ。「例えばベストを着ているなど、誰がプリペイドタクシーのドライバーか分かる目印はあるか」というこちらの質問に、カウンターのスタッフは少し悩み、「行けば分かるから大丈夫」と答えてくれた。

そして、1階に降りる

そして1階に降りる。そう、ここは2階なのだ。以前にもトリブバン国際空港を訪れたことがある人は驚くことだろう。以前1階だったはずのところが、2階になっているのだ。

そして思わず目を疑うのが、3機設置されたエレベーターである。とはいえ、このエレベーターは1度に2カートを載せるのが適当な大きさであり、それに無理に3つのカートを載せようとするため、出し入れに時間がかかる。警備員が賢明に手伝っている。利用するには列に並んで待たなければならない。

その先にあるスロープやエスカレーターを利用する方が圧倒的に早く降りられることは間違いない。

建物を出て気が付くが、空港出口が新設されており、以前と違って空港外のリングロードがとても近くなっている。タクシーを利用せずに空港の外に出てリングロードを走っているバスを利用するという人にとって、歩く距離が少なくて済むようになった。

さぁ、ここから、ネパールが始まる。

カトマンズの空港に設置された新しいNcellカウンター
(到着ロビー内2つ目のNcellセンター。この手前右側にNTCのカウンターがある。2022年4月4日撮影)
カトマンズの空港に増設された到着ロビー通路
(黄色いお店はリキュールショップ。ネパールの空港でお酒が買えるようになった。2022年4月4日撮影)
カトマンズの空港に設置されたエレベーターの行列に並ぶ人々
(エレベーター行列。右側にはプリペイドタクシーのカウンターがある。2022年4月4日撮影)
カトマンズの空港に設置されたエレベーターに並ぶ人々
(エレベーター行列に長いこと並ぶことになる。2022年4月4日撮影)
カトマンズの空港の新しい到着ロビー 1階へ
(新しくなった到着ロビー1階。2022年4月4日撮影)
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