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大自然の中に生きるネパールの人々。ゾウ、トラ、ヒョウ、ヘビとの遭遇事件が続く

ネパールのジャングル
(※ネパールで撮影された森。事件現場ではありません。)

新型コロナウイルスの感染者が拡大し始めているネパールだが、ここで人の生活を脅かすものは目に見えない極小の生物だけではない。5月に入って、人が野生動物に襲われる事件が相次いで報道されている。目立った事例は以下のとおり。

野生ゾウが家を破壊する

5月14日(木)夜、サプタリ郡のルパニ村(रूपनी गाउँपालिका,सप्तरी जिल्ला)を訪れたゾウの群れが民家を破壊した。中に貯蔵してあった穀物が目当てだったようである。そして、17日(日)から18日(月)の夜にかけても別の村の民家を3頭の群れが襲って穀物を略奪している。

80代女性が命を落とす

5月16日土曜日には、ゾウの襲撃による犠牲者も出てしまった。ネパールの東端に位置するジャパ郡(झापा जिल्ला)でゼンマイを採りに行っていた82歳の女性が野生のゾウに襲われて犠牲になったのだ。同日夕方、現地メディアonlinekhabar.comが報じている。現場は、カチャナカバル村にあるディプジョティ公共林(कचनकबल गाउँपालिका, दीपज्योती सामुदायिक वन)だ。

水牛の世話をしていた年配男性、トラに襲われて重症

5月8日(金)には、水牛を川に連れて行っていた65歳男性が突然、トラに襲われた。複数の現地メディアが伝えている。場所は、バルディア国立公園(बर्दिया राष्ट्रिय निकुञ्ज)に隣接する公共林である。この国立公園はネパール南部平野地方最大の国立公園であり、中でも野生のトラの生息数が多い場所として知られている。首都カトマンズからこの国立公園へのアクセスは良いとは言えないが、野生のトラを観察しようと、外国から観光客が訪れることも珍しくない。

現地報道によれば、近年この国立公園内でトラの生息数は増加しており、エサの不足が原因で人里にも姿を現すようになってきているとのことである。

しかし、生活範囲のせめぎ合いが起きているのは人とトラとの間だけではない。

複数人を襲ったヒョウを地域住民が退治

5月7日にはヒョウに関するニュースが報じられた。それによると、同日未明、タナフ郡(तनहुँ जिल्ला)36歳男性は鶏泥棒を追いかけた。ところが、その途中で、自分の息子にヒョウが飛びかかろうとしているところに出くわした。この男性はすぐに息子とヒョウの間に入り、格闘が始まった。父は強し、と言ったところか。親族も応援に駆け付け、格闘の末にヒョウは殺害された。この男性と親族もケガを負ったものの命に別状はないという。幸い、男の子も無事だった。

ところで、鶏泥棒は人だったのだろうか。当初は人と報じられていたが、後の報道ではこのヒョウが鶏を盗んだとされており、変遷している。日の出前の暗闇の中で突然に起きた緊迫した出来事で真相も闇の中だと言えそうではあるが、ヒョウが犯人だったという理解で落ち着いたようである。

ヒョウの被害や、反対にヒョウを駆除したという事例は首都カトマンズの山間部でも発生している。

毒ヘビによる被害も増加

5月8日(金)にonlinekhabar.comが伝えたところによると、5月6日(水)畑にトウモロコシを採りにいった11歳の少女が毒ヘビに噛まれて亡くなった。その時両親は留守にしていたため、近所の人たちが急いで救急車を呼ぶと共に、道中に救急車と出会うまで少女をバイクで連れて行くことにした。少女は救急車に引き渡たされたものの、病院に到着する前に息を引き取ったとのことである。

この村では同じ日に別の少女も蛇に噛まれているが、こちらは治療が間に合い、命に別状はないとのことである。暑さが増すこの季節には、毒ヘビによる被害も増える傾向がある、と報じられている。

こういう事情もあり、ネパールでは、ヘビを見つけるなり、毒ヘビかどうかにかかわりなく棒や石などある物を何でも使って殺害しようとすることは一般的な行動として受け止められている。

これらの出来事の他にも、ネパールでは野生動物の攻撃によって人が命を落としたり、逆に人間の自衛のために動物が殺されたりする事件が多発している。密猟の被害に遭う野生動物もいる。人と動物の間で、互いの命を懸けた戦いが続いている。

(誤字を修正しました。)

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