
新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大が続くネパールでは31日、直近24時間以内に5,292人の新たな感染者が確認された。同国の保健人口省が発表した。昨日の49.5%にあたる1,752人増加した。先週の同じ曜日と比較すると5,022人少く、48.7%の減少。昨日まで5日連続で前日に対する減少が続いたが、再び増加に転じた。ただし、保健人口省は昨日から政府のリストにある検査機関以外の場所で実施された検査結果の提出を要請しており、今日の人数にはそれに応じてSMSやE-mailで寄せられた迅速抗原検査の結果も含まれている。
今日のPCRテスト実施数は全国で1万368件で、そのうち3,472の陽性が確認された。陽性率は前日から3.7ポイント上昇して33.5%となっている。抗原検査(SMS等で寄せられた迅速抗原検査の結果を含む)の陽性率は、昨日から16.6ポイント上がって31.8%となった。両方を合わせた検査総数に対する陽性率は、昨日に比べて5.9ポイント高い32.9%である。1週間前の同じ曜日に対して15.8ポイント低く、2週間前の同じ曜日に対しても5.7ポイント低くなっている。
ネパール国内では、専門家のコメントとして、すでにほとんどの人が感染したことなどを理由にこれ以上の感染拡大は起こらないとの見立てが報道され始めている。
カトマンズ郡では1週間前比62.5%減 ICU使用率は微増
新規感染者が最も多く確認されたのは今日も首都のカトマンズ郡で、昨日より129人多い1,361人。前日よりも多くなるのは4日ぶり。1週間前の同じ曜日には3,634人の新規感染が確認されており、その時に比べて62.5%減少している。
カトマンズ郡に隣接するラリトプル郡では、全国で2番目に多い271人の新規感染が確認された。
バクタプル郡では90人の陽性が確認され、全国で7番目の多さにとどまった。
今日は、カトマンズ、バクタプル、ラリトプルの三郡からなるカトマンズ盆地で確認された感染者数が新規感染者全体のうちに占める割合は32.5%だった。カトマンズ郡の現在療養中の人の数は昨日から3,142人減少して3万2,017人。ラリトプル郡の療養中の人の数は163人減って9,907人となった。6日ぶりに1万人を下回っている。バクタプル郡の療養者の数も減少し、前日比-99人の5,483人となった。
カトマンズ盆地内の31日午後2時の時点での一般病床使用率は29.2%(220/753床)。高度治療室(HDU)使用率は52.8%(419/794床)。集中治療室(ICU)使用率は46.7%(127/272床)、人工呼吸器使用率は16.6%(31/187台)となっている。これで、トータルの病床使用率は42.1%となった。

マデス、ガンダキ、極西でPCR陽性率低下 他で微増
この日、全国で3番目に多くの新規感染者が確認されたのは、昨日に続いてネパール中部のカスキ郡。265人の感染が報告された。4番目に多かったのはネパール東部のモラン郡で203人、5番目に多かったのはチトワン郡の161人だった。
この他に50人以上の新規感染が確認されたのは、東から順に、スンサリ郡の62人、カブレパランチョーク郡119人、ルーパンデヒ郡の83人、バンケ郡の53人、カイラリ郡の93人。今日50人以上の新規感染者が確認されたのは合計11郡だった。
各州ごとのPCRテストの陽性者率は以下のとおり。検査数が少ないカルナリ州を除いて、全体としてPCRテスト陽性率の低下が見てとれる。(抗原検査の州ごとのデータは公表されていない。)
州名 | 陽性率(陽性数/検査数) |
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第1州 | 33.3% (331/995) |
マデス州 | 22.5% (72/320) |
バグマティ州 | 31.8% (2,446/7,691) |
ガンダキ州 | 47.9% (286/597) |
ルンビニ州 | 38.5% (198/514) |
カルナリ州 | 83.3% (5/6) |
極西州 | 47.0% (134/285) |
全国の療養中の人の数は、前日から4,727人減って7万9,272人。現在療養中の人のうち、入院(施設内療養)中の人の数は1,607人で、前日から23人減少している。ICUで治療中の人の数は3人増えて288人となった。人工呼吸器を使用している人の数は前日から1人減って50人。8人の死亡が報告された。