
新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大が続くネパールでは29日、直近24時間以内に4,904人の新たな感染者が確認された。同国の保健人口省が発表した。昨日に比べて28.2%にあたる1,923人、先週の同じ曜日と比較すると5,350人少く、52.2%の減少。4日連続で前日比に対する減少が続いている。4,961人の陽性が確認された1月16日以来13日ぶりに4,000人台となった。
今日のPCRテスト実施数は全国で1万101件で、そのうち3,318の陽性が確認された。陽性率は前日から2.0ポイント減少して32.9%となっている。一方で、抗原検査の陽性率は、昨日から2.4ポイント下がって35.6%となっている。両方を合わせた検査総数に対する陽性率は、昨日に比べて0.7ポイント低い33.7%である。1週間前の同じ曜日に対して17.1ポイント低く、2週間前の同じ曜日に対しては1.9ポイント高くなっている。
カトマンズ盆地の全3郡で新規感染・療養者減少 病床使用率は増加
新規感染者が最も多く確認されたのは今日も首都のカトマンズ郡で、昨日より749人少ない1,404人。1週間前の同じ曜日には3,762人の新規感染が確認されており、その時に比べて62.7%減少している。
カトマンズ郡に隣接するラリトプル郡では305人の新規感染が確認され、全国で2番目に多い数字となったものの、1週間前の同じ曜日の27.5%にとどまっている。
バクタプル郡では111人の陽性が確認された。これは前日よりも157人少ない数字で、今日は全国7番目だった。
引き続き、カトマンズ、バクタプル、ラリトプルの三郡からなるカトマンズ盆地で確認される感染者数が顕著であるものの、今日確認された新規感染者全体のうちこの3郡の感染者が占める割合は37.1%で、この割合も減少傾向にある。カトマンズ郡の現在療養中の人の数は昨日から988人減少して3万7,034人。ラリトプル郡の療養中の人の数は194人減って1万125人となった。バクタプル郡の療養者の数も減少し、前日比-89人の5,605人となった。
カトマンズ盆地内の29日午後2時の時点での一般病床使用率は37.6%(283/753床)。高度治療室(HDU)使用率は54.9%(416/758床)。集中治療室(ICU)使用率は46.7%(127/272床)、人工呼吸器使用率は16.6%(31/187台)となっている。これで、トータルの病床使用率は46.3%となった。すべての項目で前日からの増加が見られた。

新規感染者数・陽性率、全国的に減少
この日、全国で3番目に多くの新規感染者が確認されたのは、極西州カイラリ郡で120人。これに続いて多かったのはカブレパランヨーク郡の116人だが、その次にチトワン郡とカスキ郡が115人で続いている。
この他に50人以上の新規感染が確認されたのは、東から順に、モラン郡の52人、ダヌサ郡の98人、バラ郡の51人、ルーパンデヒ郡の80人、バンケ郡の73人。今日50人以上の新規感染者が確認されたのは合計12郡だった。
連日50人以上の感染が確認されてきたジャパ郡では、今日は24人となった。
各州ごとのPCRテストの陽性者率は以下のとおり。(抗原検査の州ごとのデータは公表されていない。)
州名 | 陽性率(陽性数/検査数) |
---|---|
第1州 | 34.5% (77/223) |
マデス州 | 40.3% (186/461) |
バグマティ州 | 31.2% (2,580/8,259) |
ガンダキ州 | 48.4% (138/285) |
ルンビニ州 | 39.3% (195/496) |
カルナリ州 | 38.5% (20/52) |
極西州 | 37.5% (122/325) |
全国の療養中の人の数は、前日から2,612人減って8万7,329人。今月に入ってオミクロン株による感染拡大が始まって以来初めて減少に転じた昨日に引き続き、減少した。現在療養中の人のうち、入院(施設内療養)中の人の数は1,693人で、前日から164人減少している。一方、ICUで治療中の人の数は30人増えて286人となった。人工呼吸器を使用している人の数は前日から2人増えて47人。6人の死亡が確認されている。
(※一部内容を修正しました。)