
新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大が続くネパールでは28日、直近24時間以内に6,827人の新たな感染者が確認された。同国の保健人口省が発表した。昨日に比べて1,390人少なく、先週の同じ曜日と比較しても3,876人少い数字となっている。3日連続で1万人を下回っており、5日ぶりに7,000人を切ってもいる。検査数は昨日に対して1,939件少なかったが、陽性率も低下している。
今日のPCRテスト実施数は全国で1万3,791件で、そのうち4,807の陽性が確認された。陽性率は前日から2.1ポイント減少して34.9%となっている。抗原検査の陽性率も、昨日から3.1ポイント下がって33.2%となっている。両方を合わせた検査総数に対する陽性率は、昨日に比べて2.4ポイント低い34.4%である。1週間前の同じ曜日に対して11.9ポイント低く、2週間前の同じ曜日に対しては9.7ポイント高くなっている。
カトマンズ盆地では新規陽性者数1週間前から半減 療養者数も減少
新規感染者が最も多く確認されたのは今日も首都のカトマンズ郡で、昨日より249人少ない2,153人。1週間前の同じ曜日には4,279人の新規感染が確認されており、その時に比べて49.7%減少している。
カトマンズ郡に隣接するラリトプル郡では519人、バクタプル郡では268人の陽性が確認されており、それぞれ全国で2番目と3番目に多い新規感染者数となった。
引き続き、他の場所に比べるとカトマンズ、バクタプル、ラリトプルの三郡からなるカトマンズ盆地での感染拡大が顕著であり、今日確認された新規感染者全体のうちこの3郡の感染者が占める割合は43.1%だった。カトマンズ郡の現在療養中の人の数は前日から837人減少して3万8,022人。ラリトプル郡の療養中の人の数は71人減って1万319人となった。バクタプル郡の療養者の数は3日ぶりに増加に転じ、前日比+80人の5,694人となった。
カトマンズ盆地内の28日午後2時の時点での一般病床使用率は36.9%(278/753床)。高度治療室(HDU)使用率は52.6%(390/742床)。集中治療室(ICU)使用率は40.3%(106/263床)、人工呼吸器使用率は13.7%(25/182台)となっている。これで、トータルの病床使用率は44.0%となった。使用率はすべてで2日続けて前日に対して減少した。

全国の療養者数、オミクロン株流行後はじめて減少 死亡者数は10人
この日、全国で4番目に多くの新規感染者が確認されたのは、ポカラ市のあるネパール中部のカスキ郡で232人。次に多かったのはネパール東部のモラン郡の212人だった。
この他に50人以上の新規感染が確認されたのは、東から順に、ジャパ郡の86人、スンサリ郡の111人、カブレパランチョーク郡の65人、チトワン郡の63人、バグルン郡の54人、ルーパンデヒ郡の68人、バンケ郡の73人、カイラリ郡の147人。今日50人以上の新規感染者が確認されたのは合計13郡だった。
各州ごとのPCRテストの陽性者率は以下のとおり。(抗原検査の州ごとのデータは公表されていない。)
州名 | 陽性率(陽性数/検査数) |
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第1州 | 45.3% (407/898) |
マデス州 | 44.7% (42/94) |
バグマティ州 | 31.9% (3,670/11,497) |
ガンダキ州 | 49.8% (297/596) |
ルンビニ州 | 49.4% (200/405) |
カルナリ州 | 0% (0/0) |
極西州 | 63.5% (191/301) |
全国の療養中の人の数は、前日から634人減って8万9,941人。今月に入ってオミクロン株による感染拡大が始まって以来初めて減少に転じた。現在療養中の人のうち、入院(施設内療養)中の人の数は1,857人で、前日から77人減少している。ICUで治療中の人の数は1人減って256人となった。人工呼吸器を使用している人の数は前日から4人減って45人。10人の死亡が確認されている。この死者数は、オミクロン株の流行が始まって以来、1月22日に発表された16人に次いで3番目に多い。