
新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大が顕著なネパールでは27日、直近24時間以内に8,017人の新たな感染者が確認された。同国の保健人口省が発表した。昨日に比べて437人少なく、先週の同じ曜日と比較しても4,321人少い数字となっている。1万人を下回ったのは2日連続。検査数は昨日に対して1,449件増加しており、2日続けて前日に比べて陽性率が下がったことが示されている。
今日のPCRテスト実施数は全国で1万5,736件で、そのうち5,816の陽性が確認された。陽性率は前日から4.1ポイント減少して37.0%となっている。PCRテストの陽性率が40%を下回ったのは1月16日(日)以来11日ぶり。抗原検査の陽性率も、昨日から6.0ポイント下がって36.3%となっている。両方を合わせた検査総数に対する陽性率は、昨日に比べて4.7ポイント低い36.8%である。1週間前の同じ曜日に対して8.1ポイント低く、 2週間前の同じ曜日に対しては13.2ポイント高くなっている。
カトマンズ盆地内で新規陽性者数減少
新規感染者が最も多く確認されたのは今日も首都のカトマンズ郡で、昨日より361人多い2,402人。1週間前の同じ曜日には同郡で過去最多となる5,001人の新規感染が確認されていたが、48%に減少している。2週間前の同じ曜日に対しては65.8%多い。
カトマンズ郡に隣接するラリトプル郡では521人、バクタプル郡では220人の陽性が確認されており、それぞれ全国で2番目と5番目に多い新規感染者数となった。
引き続きカトマンズ、バクタプル、ラリトプルの三郡からなるカトマンズ盆地での感染拡大が他の場所に比べて顕著に数字に表れる傾向が続いているものの、今日確認された新規感染者全体のうちこの3郡の感染者が占める割合は39.2%にとどまっており、2日続けて40%未満となった。カトマンズ郡の現在療養中の人の数は前日から1,153人減少して3万8,859人となったが、ラリトプル郡の療養中の人の数は321人増えて1万390人となった。バクタプル郡の療養者の数も減少に転じ、前日比-114人の5,614人となった。
カトマンズ盆地内の27日午後2時の時点での一般病床使用率は38.5%(290/753床)。高度治療室(HDU)使用率は53.5%(397/742床)。集中治療室(ICU)使用率は40.7%(107/263床)、人工呼吸器使用率は15.4%(28/182台)となっている。これで、トータルの病床使用率は45.2%となった。使用率はすべてで前日から減少した。

カスキとモランで引き続き感染拡大 死亡者数は15人
この日、全国で3番目に多くの新規感染者が確認されたのは、ポカラ市のあるネパール中部のカスキ郡で393人。次に多かったのはネパール東部のモラン郡の281人だった。
この他に50人以上の新規感染が確認されたのは、東から順に、ジャパ郡の106人、スンサリ郡の158人、サプタリ郡の61人、シラハ郡の58人、ダヌサ郡の115人、カブレパランチョーク郡の67人、マクワンプル郡の54人、ヌワコート郡の54人、チトワン郡の127人、ルーパンデヒ郡の143人、バンケ郡の106人、カイラリ郡の184人、カンチャンプル郡の61人。今日50人以上の新規感染者が確認されたのは合計18郡に上った。
各州ごとのPCRテストの陽性者率は以下のとおり。(抗原検査の州ごとのデータは公表されていない。)
州名 | 陽性率(陽性数/検査数) |
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第1州 | 54.5% (570/1,045) |
マデス州 | 45.6% (171/375) |
バグマティ州 | 32.7% (4,023/12,284) |
ガンダキ州 | 47.7% (435/912) |
ルンビニ州 | 50.0% (369/738) |
カルナリ州 | 42.9% (12/28) |
極西州 | 66.7% (236/354) |
全国の療養中の人の数は、前日から509人増えて9万576人。そのうち、入院(施設内療養)中の人の数は1,934人で、前日から115人増加している。ICUで治療中の人の数は6人増えて257人となった。人工呼吸器を使用している人の数は前日から1人増えて49人。15人の死亡が確認されている。この死者数は、オミクロン株の流行が始まって以来、1月22日に発表された16人に次いで2番目に多い。