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ネパール語の文字の読み方(母音のない子音文字)

ネパール・タライ地方の稲穂
(ネパール南部タライ地方の畑。)

子音字のみの発音に注意しよう

合同会社アジア・パブリック・インフォメーションがお届けする、本気でネパール語を習得したい人のための解説ページ。今回はタイトルが少し変ですが、母音の無い子音字の読み方を解説していきます。

ネパール語の文字の読み方(子音字)」のページで解説されているとおり、ネパール語の子音字が母音記号無しで書かれている場合には、必ず「अ(ア/a)」が隠れて付いています。それで、「क」は「カ/ka」と発音されます。

でも、ネパール語には子音のみの発音も存在ます。

まず、子音のみの発音、とは何でしょうか。

子音のみの発音とは、日本語にはこれがないためにちょっと説明が難しいのですが、英語を例に考えてみると分かりやすくなります。

例えば、dogの最後のgがそれにあたります。日本語で書くと「ドッグ」となり、「グ」に母音がついてしまっているのですが、本来の発音では、母音がありませんよね。「dogu」ではなく、「dog」なわけです。(この点について詳しくは、「ネパール語の文字」ページ内の「翻字」に関して解説部分をご覧ください。)

ネパール語にも、この子音のみの発音(母音が付いていない発音)が存在します。頻発します。でも、子音文字の一覧表に出てくる表記には、すべて「अ」が隠れて付いています。それで、別の表記方法が必要になるわけです。

子音字に母音が付いていないことの表記方法

そのときにまず登場するのが、「ハランタ」という記号です。

それが、

これです。子音文字の下に付けます。基本的には、縦線の下です。具体的には、

क्, ख् , ग् ,・・・, ष् , स्

といった具合です。

これで、母音が落ちていることを示しています。

縦線のない文字である ङ, छ, ट, ठ, ड, ढ, द, र, हについては、文字の中央下にハランタを付けます。したがって、翻字すると、こうなります。

क → ka ख → kha   ग → ga・・・ङ → nga・・・ढ → dha・・・ ष →sa स → sa

क् → k  ख् → kh ग् → g・・・ङ् →ng ・・・ ढ् →dh ・・・ ष् → s   स् → s

「ハランタで母音をはらンった」と覚えましょう。

ハランタなしで表記する

とは言え、毎回ハランタを付けるには大変ですし、見た目も煩雑になってしまいます。例えば、よく使われる大切な単語、「マハットゥワプールナ(mahattwapu-rna)」という単語があります。「大事な、大切な」という意味ですね。ローマ字表記をご覧いただければお分かりいただけるように、母音の付かない「t」が二つも続いています。そして、「r」もありますね。これをハランタを使って表記しようとすると…

महत्‌त्‌वपूर्‌ण

となってしまいます。煩雑ですね。

そこで、実際の表記は、以下のようになります。

महत्त्वपूर्ण

とてもすっきりとしています。このように、ハランタなしで、母音の付いていない子音字を表すことができますし、その方が一般的です。

その方法

縦線がある文字

では、その方法を解説します。基本はとっても簡単です。

縦線を無くすだけ、です。

しつこいようですが、ネパール語の子音字の基本的な形には母音「अ」が付いています。それで、この母音が落ちているを示すためには、何かを削る必要があります。その対象になったのが、縦線、というわけです。

実際、縦線を残して他の部分を削ってしまうと、どの子音なのかが見分けられなくなってしまいます。でも、縦線を削っても、子音文字の他の要素が残っていれば、どの子音なのかを見分けることができます。

注意点としては、この形は必ずこの後に別の子音文字が続けて書かれるということです。縦線がない状態で単独で存在することはありません。

「説明」という意味の「व्याख्या(ビャーキャー/vya-khya-)」という単語を例に考えてみましょう。(※ネパール語は左から右に読みます。)

「व्या」の部分と「ख्या」の部分に分解してみましょう。これらをさらに分解してみると、下のようになります

व्(v) + या(ya-)

ख्(kh) +  या(ya-)  

(※母音記号についてはこちらをご参照ください。)

しかし、「व्‌या」「ख्‌या」と書くのではなく、ハランタを付けず、縦線を取り払って、「व्या」「ख्या」となるわけです。

イメージとしては、次の文字との間に立ちはだかっていた縦線が取り払われたために、後ろの文字が前に詰めてくる、という感じです。

例外

例外として、「क」と「फ」があります。これらの文字は縦線の右側にさらにパーツがあるため、縦線を落としても、すぐ後に続く文字とのつながりが良くありません。かと言って、縦線と一緒に右側のパーツも落としてしまうと、他の文字との区別がつかなくなります。例えば、「क」の左側部分は「व」と、「फ」の左側部分は「प」と同じです。

そこで、この二つは、例外として、縦線は残し、右側部分を半分だけ切り落としたような形で表記されます。

例をご覧ください。

क् (k) + या (ya-) → क्या (kya-)

फ् (f) + ला(la-)+व (wa) + र(r) → फ्लावर (Flawar/英語のflower)

縦線がない文字について

縦線がない文字の場合は、基本的にこの形が存在しないため、すべてハランタを付けた形で表記されます。

例外は、「र」と「ह」です。

例外「र्」の形は2パターン

「र्」は特殊です。後ろに続く文字の縦線の上に飛び乗ります。それも、のけぞった形で。もし、後ろに続く文字の縦線の右側にさらに母音記号の縦線があれば、その上の位置に飛び乗ります。

2つ例を挙げておきます。

ग(ga) + र् (r) + नु(nu) → गर्नु (ガルヌ/garnu)

ग(ga) + र्(r) + ला(la-) → गर्ला(ガルラ/garla-)

先ほどの例に出てきた「महत्त्वपूर्ण」も、「पूर्ण(プールナ/pu-rna)」の部分がこの例に該当しますね。

ただし、この例外的な「र्」の中に、さらに例外が存在します。それは、後ろに「य」が続くときです。どういうわけか「र्」は「य」の頭上に飛び乗ることができず、左前に居座り、次のような形をとります。

र्‍य(rya)

「あリャリャ、変だなぁ」と覚えましょう。

例外「ह」は少しだけ変形する

「ह」も、独自の変形をします。と言っても、実際には 「ह」そのものは変化せず、後ろに続く文字が中に入り込んでくるようなイメージになります。それも、य, र, ल, वという、同じグループ内の文字だけです。「य」だけは、続けて書いたイメージですね。

次のようになります。

ह् (h) + व (wa) → ह्व (hwa)

ह् (h) + र (ra) → ह्र (hra)

ह् (h) + ल् (l) → ह्ल (hla)

ह् (h) + य (ya) → ह्य(hya)

発音で気をつけたいのは、「ह्(h)」は息が出ることを表しているということです。息を吐きだしながら、wa,ra,la,yaと発音することになります。

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結合文字

これまで考えてきたように、子音文字は母音が付いていない場合、後ろに続く子音文字とくっつきます。多くの場合はそのまま横並びになりますが、いつも一緒に使われる子音同士の組み合わせは、2つの子音文字が完全にくっついてしまっていて、それ自体独立した1文字として存在するようになったものもあります。それらを、結合文字と呼んでいます。

子音文字一覧表の中で、最後に載せられていた3つの文字、「क्ष」「त्र」「ज्ञ」も結合文字ですね。子音文字についての解説したページの中では、その時点までに解説済みの知識の範囲での解説にを行っていましたので、ここで改めて正確な情報を記しておきたいと思います。

「क्」+「ष」→ 「क्ष」(ksa)

「त् 」+「र」→「त्र」(tra)

「ज्」+「ञ」→「ज्ञ」(ngya)

ネパール語の結合文字
子音字(母音なし)  +子音字(母音あり) → 結合文字
ट्(t)ट (ta)ट्ट (tta)
त् (t)त (ta)त्त (tta)
द् (d)ध (dha)द्ध (ddha)
द् (d)व (wa)द्व (dwa)
द् (d)य (ya)द्य (dya)
श् (sh)च (cha)श्च (scha)
श् (sh)र (ra)श्र (shra)
श् (sh)व(wa)श्व (shwa)

※結合文字は、そのカテゴリーに含めるべきか微妙なものも多数存在するため、ここにすべてが記してあるわけではありません。

これらの結合文字は、慣れるまでは全く新しい文字のように見えるかも知れませんが、よく見ていると、やはりそれぞれの文字の特徴を残していることに気が付きます。そういった特徴に気が付くと、記憶しやすくなりますね。

同じ子音字が続くと促音になる

さて、同じ子音が続いた場合、どのように読んだらよいのでしょうか。

それは、ローマ字で同じ子音が続いた場合と同じく、促音になります。つまり、小さい「っ」です。

したがって、最初の大切な例である「महत्त्वपूर्ण(mahattwapu-rna)」は、「マハトゥワプールナ」ではなく、「マハットゥワプールナ」と発音します。

なお、余談ですが、「プールナ」の「ル」は巻き下の「r」が発音されるだけであって、「ru」が発音されるわけではありません。日本語で書くと「ル」になってしまいますので、気をつけましょう。

最後の文字に母音が付いているかどうかの判断

ここまで学習を進めて来られて、ここに挙げた例の中で「あれ?変だな」とひっかかっておられたら、ここで学んだことが確かに生きている証拠です。(何も疑問に思わずに来た方や、逆に疑問だらけで困っておられる方も、むしろその方が普通ですのでご安心ください。)

それは、例として紹介した「फ्लावर」という単語です。

読み方はどうだったでしょうか?

フラワル(flawar)です。

不思議ですよね。最後の「र(r)」。ハランタも付いていませんし、変形もしていません。ということは、本当は「flawara」と読まなければいけない気がします。でも、母音「a」は付いていません。

実は、ネパール語の名詞の最後にくる子音には多くの場合母音が付かない、というルールがあります。

最終的には感覚的なところもありますが、それでも母音が付くかつかないか見分けるのに役立つ事柄が幾つかありますので、下に書いておきます。

・名詞で、最後の子音の直前の子音に母音がついている

  例1)विश्वास(ビシュワス/vishwas) 「स」の前の「श्वा」に母音がついているため、「स」には母音がつかない

  例2) शुल्क (スルカ/shulka) 「क」の前の「ल」に母音がついていないため、「क」につく

・二文字の単語

  例)दिन (ディン/din) बीच(ビツ/bi-ch) माझ (マーズ/ma-jh)

・単語の中で韻を踏んでいる場合、名詞でなくても最後の母音が落ちることがある

  例)सुझबुझ (スジュブジュ/sujhbujh) लगभग(ラグバグ/lagbag)

・動詞の最後の文字「न」からは母音が落ちない。母音が付かないときは必ずハランタが付きます。

  例) खान सकिन लाग्यो। (カナ サキナ ラギョ/khana sakina lagyo.)

    ※「खान(食べる)」「सकिन(終わる)」は動詞であるため、母音が落ちない。

様々な単語の発音を覚えていく中で、最後の文字の母音が落ちていたら、この中のどれに当たるかと考えてみてください。きっと徐々に慣れて行けることでしょう。

まとめ

それでは、このページのまとめです。

・母音のない子音を表すには、ハランタをつける

・ハランタを使わずに、省略形で表記する方が多い

・縦線のある単語は、それを無くそう。例外は「क」と「फ」

・縦線の無い単語は、ハランタを付けよう。例外は「र」と「ह」

・結合文字を覚えよう

・同じ子音字が続いたら、小さな「っ」

・単語の最後の子音字には母音が付くかどうか確認しよう

覚えることは多いですが、1000里の道も1歩から。諦めずに頑張りましょう!

(※当サイトを運営する合同会社アジア・パブリック・インフォメーションは、ネパール語翻訳のご依頼も承っております。詳しくは、弊社公式ホームページをご覧ください。)

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