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ネパール語の否定形のつくり方②ー過去形と未来形

トラックいっぱいに運ばれてきたネパールのバナナ
(トラックいっぱいに運ばれてきたネパールのバナナ。ネパール東部のハイウェイにて撮影)

合同会社アジア・パブリック・インフォメーションがお届けする、本気でネパール語を習得したい人のための解説ページ。今回は、ネパール語の否定形のつくり方、その②です。前回の記事で、現在分詞と過去分詞、そして現在形の否定形・否定文のつくり方を解説しました。今回は、過去形と未来形での否定文のつくり方を解説していきます。

ネパール語の否定形・否定文では、「न(ナ)」がポイントになります。この点は、今回解説する部分でも変わりませんので、意識しておきましょう。

過去否定の捉え方

まずは、過去時制における否定形・否定文です。

基本的には、語末が「एन」という形を取ります。ここだけ部分的に捉えてしまうと覚えにくく感じるかも知れませんが、これから見ていく通り、実は「ए」はこれまでにすでに何度も出てきている要素です。関連付けて捉えるようにすると、理解の助けになることと思います。

「ए」は過去分詞を作る「एको」や中程度の尊敬表現の過去時制で使われる文字です。例えば、動詞「गर्नु(する、行う)」の過去分詞は「गरेको」、中程度尊敬の主語に対応する過去肯定形は、「गरे」ですね。

これに、否定を意味する「न」が付く、と考えれば良いわけです。

(※前回の解説にあるとおり、過去分詞の否定形では「न」は前に付きます。)

そして、もはやお馴染みになりましたが、主語に対応して少しずつ形を変えます。それでも、やはり肯定形とも共通する音のリズムがありますので、意識しておくと役立ちます。

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具体例

具体的に見ていきましょう。

「हुनु」の過去否定形

やはり、ここでも「हुनु」は他の動詞とは区別して考える必要があります。

「हुनु」は「हो」系、「छ」系、「हुन्छ」系に分かれますが、過去形においては「हो」系と「छ」は同じ形を取ります。「हुन्छ」系だけが違った形をとりますが、それぞれの形別のページ「ネパール語動詞「हुनु(フヌ)」 時制による変化の全パターン」に載せていますので、そちらをご覧ください。

その他の動詞の否定形

主語に応じて動詞の原形がどのように変化するかは、その動詞の組成に応じて4つにパターン化されます(実質3パターン)。各パターンごとの肯定文についての解説は、「主語に応じたネパール語動詞の変化①(現在形)」という記事にあります。その記事で解説した各パターンごとに、過去否定の形を解説していきます。

パターン①:原形の「नु」の前が母音「आ」または「इ」

最初のパターンは、原形の「नु」の前が、母音「आ」または「इ」となっているものです。実際の表記の中では母音記号として登場します。例えば、「खानु」(食べる)、「हाल्लिनु」(揺れる)、「सिद्धिनु」(終わる)などがあります。

この場合は、まず「नु」を消して、その場所に主語に応じて変化させた「एन」を付けます。これが基本的な形です。

主語が「म(私)」の時は少し特殊で、「इनँ」という形を取りますが、現在否定形で使用される「दिनँ」とやはり共通点がありますね。

そして、高尊敬主語の時は、やはり動詞の原形はそのままで、後ろに付く「हुनु」の部分が「भएन」に変化します。最後が「एन」となっているのは、基本的な形と変わりませんので、覚えやすいかと思います。

次に掲載する一覧表でご確認いただけますが、主語ごとに対応する「एन」の部分のそれぞれの変化は、やはり肯定形や現在形の音とも共通するものがあることにお気づきになることでしょう。最初に現在形の肯定文を覚えた時に、「छ」のパターンでリズムを身につけておいたことがここでも生きてきます。

上に挙げたもののうち、超頻出の「खानु」を例に一覧表にしていますので、ご覧ください。

ネパール語動詞の変化形パターン①(खानुの過去否定

人称単複尊敬度該当する主語動詞「खानु」の対応する形
一人称単数खाइनँ
複数हामी/ हामीहरूखाएनौँ
二人称単数・複数最高हजुर/ हजुरहरूखानुभएन
単数・複数中・高तपाईं/ तपाईंहरूखानुभएन
単数・複数तिमी/तिमीहरूखाएनौ
単数最低तँखाइनस्

三人称

単数・複数यहाँ/ यहाँहरू/ उहाँ/ उहाँहरूखानुभएन
単数・複数यिनी/ यिनीहरू/ तिनी/ तिनीहरू/ उनी/ उनीहरूखाएनन्
複数यी/ तीखाएनन्
単数यो/ त्यो/ ऊखाएन

なお、否定形の現在時制には簡略形が存在しましたが、過去時制では簡略形は存在ません。

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パターン②:原形の「नु」の前が母音の無い子音字

次のパターンは、「गर्नु」(する)、「मिल्नु」(合わさる、適合する)、「हाँस्नु」(笑う)など、原形の「नु」の前が母音の無い子音字の場合です。

この場合は、「नु」を消去し、その位置に各主語に対応する「एन」の変化形を取り付けます。

やはり超頻出の、「गर्नु」を例に一覧表をご確認ください。

ネパール語動詞の変化形パターン②(गर्नुの過去否定

人称単複尊敬度該当する主語動詞「गर्नु」の対応する形
一人称単数गरिनँ
複数हामी/ हामीहरूगरेनौँ
二人称単数・複数最高हजुर/ हजुरहरूगर्नुभएन
単数・複数中・高तपाईं/ तपाईंहरूगर्नुभएन
単数・複数तिमी/तिमीहरूगरेनौ
単数最低तँगरिनस्

三人称

単数・複数यहाँ/ यहाँहरू/ उहाँ/ उहाँहरूगर्नुभएन
単数・複数यिनी/ यिनीहरू/ तिनी/ तिनीहरू/ उनी/ उनीहरूगरेनन्
複数यी/ तीगरेनन्
単数यो/ त्यो/ ऊगरेन

パターン③:原形の「नु」の前が母音「अ」

次のパターンは、原形の「नु」の前が、母音「अ」の単語です。「अ」の母音記号は存在せず、子音字の中に隠れていますので注意が必要ですね。例えば、「सुम्पनु」(委ねる)、「पर्खनु」(待つ)、「फर्कनु」(戻る)などといった動詞です。

過去分詞の解説からの流れで別個のパターンとしてはいますが、このパターンは結果としてパターン②と同じ形を取ります。現在時制ではパターン①と同じになりましが、過去時制ではパターン②と同じになるのが興味深いですね。

やはりよく用いられる単語である「फर्कनु」を例に一覧表を掲載します。パターン②と全く同じであることをご確認いただけると思います。このパターンでも、現在否定とは違い、過去否定に簡略形は存在しません。

ネパール語動詞の変化形パターン③(फर्कनुの過去否定

人称単複尊敬度該当する主語動詞「फर्कनु」の対応する形
一人称単数फर्किनँ
複数हामी/ हामीहरूफर्केनौँ
二人称単数・複数最高हजुर/ हजुरहरूफर्कनुभएन
単数・複数中・高तपाईं/ तपाईंहरूफर्कनुभएन
単数・複数तिमी/तिमीहरूफर्केनौ
単数最低तँफर्किनस्

三人称

単数・複数यहाँ/ यहाँहरू/ उहाँ/ उहाँहरूफर्कनुभएन
単数・複数यिनी/ यिनीहरू/ तिनी/ तिनीहरू/ उनी/ उनीहरूफर्केनन्
複数यी/ तीफर्केनन्
単数यो/ त्यो/ ऊफर्केन

パターン④:原形の「नु」の前が「आउ」の音

このパターンは、例えば、「आउनु」(来る)、「लगाउनु」(付ける、着る)、「गराउनु」(させる)などのような超頻出単語によく見られます。この場合は、「उनु」を取り外し、各主語に対応する「एन」の変化形を取り付けます。

現在時制の否定では「नु」だけを取って「उ」は残りましたが、過去時制では「उनु」がなくなることに注意が必要です。とはいえ、「ウ」の後に続けて「エ」を発音するよりも、「エ」の一音にしてしまった方が言いやすくなりますので、とても合理的だと言えるでしょう。

「आउनु」を例にとった一覧表をご覧ください。

ネパール語動詞の変化形パターン④(आउनुの現在否定

人称単複尊敬度該当する主語動詞「आउनु」の対応する形
一人称単数आइनँ
複数हामी/ हामीहरूआएनौँ
二人称単数・複数最高हजुर/ हजुरहरूआउनुभएन
単数・複数中・高तपाईं/ तपाईंहरूआउनुभएन
単数・複数तिमी/तिमीहरूआएनौ
単数最低तँआइनस्

三人称

単数・複数यहाँ/ यहाँहरू/ उहाँ/ उहाँहरूआनुभएन
単数・複数यिनी/ यिनीहरू/ तिनी/ तिनीहरू/ उनी/ उनीहरूआएनन्
複数यी/ तीआएनन्
単数यो/ त्यो/ ऊआएन

いくつかパターンが出てきましたが、言語ですので、慣れてくるとできるだけ発音しやすい形になっていることが分かるようにってきます。何度も何度も発音して、音に慣れていきましょう。

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未来否定

「हुनु」でもそうでしたが、パターンが多い現在形や過去形に対し、未来形は1パターンしか存在しません。

動詞原形の「नु」を「ने」に変えて、「हुनु」の「छ」系否定形の主語に応じた変化形を付けます。つまり、「छैन」です。「हुनु」と「गर्नु」の二つを例にして、一覧表でご確認ください。同じパターンだということがお分かりになると思います。

ネパール語動詞「हुनु」の未来形・否定
人称単複尊敬度該当する主語対応する「हुनेछ」の形
一人称単数हुनेछैनँ
複数हामी/ हामीहरूहुनेछौनौँ
二人称単数・複数最高हजुर/ हजुरहरूहुनुहुनेछैन
単数・複数中・高तपाईं/ तपाईंहरूहुनुहुनेछैन
単数・複数तिमी/तिमीहरूहुनेछैनौ
単数最低तँहुनेछैनस्
三人称単数・複数यहाँ/ यहाँहरू/ उहाँ/ उहाँहरूहुनुहुनेछैन
単数・複数यिनी/ यिनीहरू/ तिनी/ तिनीहरू/ उनी/ उनीहरूहुनेछैनन्
複数यी/ तीहुनेछैनन्
単数यो/ त्यो/ ऊहुनेछैन
ネパール語動詞「गर्नु」の未来形・否定
人称単複尊敬度該当する主語対応する「हुनेछ」の形
一人称単数गर्नेछैनँ
複数हामी/ हामीहरूगर्नेछौनौँ
二人称単数・複数最高हजुर/ हजुरहरूगर्नुहुनेछैन
単数・複数中・高तपाईं/ तपाईंहरूगर्नुहुनेछैन
単数・複数तिमी/तिमीहरूगर्नेछैनौ
単数最低तँगर्नेछैनस्
三人称単数・複数यहाँ/ यहाँहरू/ उहाँ/ उहाँहरूगर्नुहुनेछैन
単数・複数यिनी/ यिनीहरू/ तिनी/ तिनीहरू/ उनी/ उनीहरूगर्नेछैनन्
複数यी/ तीगर्नेछैनन्
単数यो/ त्यो/ ऊगर्नेछैन

未来形の表記について一言(上級者向け)

上の表中では一単語として表記されていますが、実際には「गर्ने छैनन्」のように動詞原形と「छैन」部分とを離して表記されることも普通です。

ということは、ネイティブスピーカーの頭の中では、「गर्ने(する)」は「छैनन्(ない)」という二つの動詞によって表現が形成されているように見受けられます。

現在分詞「~ने」が、時間的な要素ではなく未完了を表わすことと、これも関係ありそうです。

まとめ

今回は、ネパール語の否定形・否定文について、過去形と未来形のつくり方を考えてきました。いつも繰り返していますが、リズムを身に付けることが、ネパール語動詞の正確な活用を使いこなすための近道です。

それでは、まとめです。

  • 過去否定は、語末が基本「एन(इन)」
  • 「ए」が過去を意味する要素、「न」が否定を意味する要素
  • 動詞の原形からの変化は4パターン
  • 未来形は1パターンのみ

否定に関する話は、まだまだ続きます。次回は、否定を並列する形や、全部否定と部分否定の使い分け、否定文における「पनि(も)」の役割など、否定表現のディテールを解説していきます。お楽しみに!

(※当サイトを運営する合同会社アジア・パブリック・インフォメーションは、ネパール語翻訳のご依頼も承っております。詳しくは、弊社公式ホームページをご覧ください。)

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