Webマガジン ニュース・オブ・アジア

【インドコラム】個性豊かなインドの家 vol.2

記事公開日: 2021年1月8日

個性あふれるインドの家 vol.2

インドの住宅には日本ではあまり見たことがないユニークな特徴があります。以前に掲載された「個性あふれるインドの家 vol.1」では紹介しきれなかったものを今回ご紹介したいと思います。

※新型コロナウイルス感染拡大を受け、筆者は現在国外に退避しています。このコラムは筆者が現地にて直接見聞きしたことに基づいて書かれたものです。
インドの家のブランコ、食器用ラック、ベッド

 

(①大人が2、3人乗っても大丈夫なベンチ式ブランコ!
②ソファーベッドは中が収納になっていて便利
③これだけで家族分の食器が収納可能なインドの食器ラック)

①大人から子どもまで大好きなブランコ

インドでは家のベランダや玄関ポーチにブランコを設置しているお宅が多くあります。コンクリートの天井から鉄製フックが出ておりそこにブランコを吊るします。一人用のハンギングチェアーから、二人三人用の大きなブランコ式ソファーベンチまで様々です。日本では子どもが公園でブランコを遊ぶイメージがありますが、インドでは子どもから大人まで幅広い年齢層から親しまれています。

ブランコ式ソファーベンチは大きく自分で漕ぐのは困難なため誰かに後ろからブランコを押してもらう必要があります。お母さんやおばあさんが乗って子どもや孫たちがブランコを押してあげるなど、家族のコミュニケーションや団らんに一役買っています。以前住んでいた集合住宅にもブランコはあり、お昼過ぎにはいつも隣のお爺さんがブランコで昼寝をしているのを目にしていました。ブランコは常に揺れてるのでハンモックや赤ちゃんのゆりかごのようなリラックスの効果があるのかもしれません。子どもたちはブランコに乗って勢いよく風を切り爽快感を楽しみますが、インドのブランコはそれだけにあらず家族との交流、絆を深める機会になっているようです。

②ソファーベッドで小さい部屋でも快適空間

私がインドで初めて買った家具はソファーベッドでした。引っ越し先の新居にはベッドがなく直に床に敷布団をひいて寝ていましたが、ある日部屋の中にアリたちが自由に行き来しているのに気づいて以来、床で寝ることに少し抵抗を感じた私はベットを購入することにしました。でも私の部屋は狭く、ベッドを置いてしまうと部屋が窮屈になってしまうので購入を躊躇していました。ある日の夜、隣の友人宅を見ると日頃ソファーとして使われていたそれがベッドに形を変えていました。それも結構な大きさ。ソファーといっても“ふかふか”したものではなく鉄製の長椅子にマットレスのようなクッションが乗せてあるだけで、背もたれ部分にはクッションがあり寄りかかっても痛くはありません。鉄製のため頑丈で耐久性もありソファーの中は引き出し収納があり靴や小さめの衣装ケースは十分に入るサイズです。私たちはとても気に入ったためその友人と共に家具屋さんへ、値段も友人が交渉してくれて1万ルピーから8000ルピー(約11400円)になり、同じ形のベッドを購入することができました。

ソファーベッドの他にもインドの家でよく目にするのは木製のデイベット。これはソファーベットよりはベットとして寝る目的のために作られています。実際に、背もたれも無く見た目は小さめのベットで、椅子のように腰掛けたり、上であぐらをかいて座ります。ソファーベッドとデイベットどちらもインドの狭小住宅にはとても合理的ですし、来客時のベットとしても重宝します。

③食器ラック

キッチンの流し台近くにある食器ラックはとてもシンプルで使いやすく作られています。ステンレス製のそのラックは壁に直接取り付け、炊事をする女性に合わせた高さで設置されていますし、洗い終わった食器をすぐにしまうことができます。また地面に直に接していないため、衛生面でもある程度害虫から守られます。写真を見ていただくとわかりますが、ステンレス製のお皿やタールと呼ばれるインド特有のお盆、ステンレス製のお椀を立てて収納していきます。棚部分にはタンブラーやカップ、ステンレス製のタッパーが置かれ、フック部分にはチャイカップが掛けてあります。一般家庭で日々使われる食器はだいたいこのラックに収まります。インドでは重たい陶器製の器は少なくステンレス製又はプラスチック製が主流な為、重量面でもラックは耐えられます。引越しの時は壁から取り外し簡単に持ち運び可能!インドの食器のラックならではの特徴です。日本の食器棚ではこうも簡単にはいきません。

④ポップなカラーの壁たち

今までインドで住んできた家の部屋壁は必ずと言っていいほど明るい色でペイントされていました。水色、オレンジ、レモン色、エメラルドグリーンなど明るくポップな色が好まれているようです。色の好みは人それぞれですが地味な色の内装の家はまず見かけたことはありません。加えてインドの家の外壁はもっとカラフルで鮮やかさがあります。

そうしたカラフルな壁になる理由として考えられるのは、乾燥し土ぼこりが舞いやすいインドでは白い壁だと汚れがすぐに目立ってしまうことが考えられます。

インドのカラフルな壁の色

 

(部屋の壁、外壁ともにカラフルな目を引くインドの家

どこからともなく家の中にも入ってくる土ぼこり。壁に色がついている分、汚れはカモフラージュされ目立っていないように感じます。

モンスーンシーズンに発生する壁のカビはモンスーン後でも壁に跡が残ってしまい、キレイには落とせません。そのため、賃貸住宅は入居者が変わる度に大家さんによって壁もキレイに補修されペイントされます。色は大家さんのセンス次第ですが、入居後でも大家さんの許可があれば自分で好きに色にペイント可能です。

まとめ

今このご時勢、だんだんと家にいる時間が増えてきている方も多いかもしれません。これまでに増して「居住空間を快適に楽しくする」のは大切なテーマになってきています。インドのようにブランコを家に設置することは現実的では無いかもしれません。でも部屋の内装や壁紙をちょっと変えるだけでも、きっとあなただけの快適空間、「個性あふれるあなたの家」に近づけます。

編集部によるPick Up!
  • カトマンズで鳥インフル発生 3000羽以上を殺処分 (2021年2月2日公開)
  • 【コラム】文化や需要に合わせ進歩してゆくインド家電(2020年11月8日公開)
  • ヒマラヤ山脈はコロナ過でも観光客を楽しませていた(2020年10月30日公開)
  • ネパールの大気汚染が過去最悪レベルに (2021年1月16日公開)
  • 雨期のネパール、地滑り頻発のポカラ—カトマンズルートを行く(2020年9月8日公開)