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【インドコラム】新型コロナウイルスによるロックダウン中の過ごし方

3月24日インドのモーディ首相は25日から21日間インド全土のロックダウンに入ると宣言されました。4月14日に再度演説があり期間は2週間延長へ、5月2日にはさらに2週間の再延長の発表。合計で7週間のロックダウンが行われています。(2020年5月中旬現在) 活発で自由なインドの人々はそんなに長い期間自宅待機できるのか?マスクや予防措置が守れるのか?心配ではあります。案の定警察が不要不急の外出者を棒で叩いて家に帰らせるというニュースが連日報道されていますし、近所の人は実際に叩かれたそうです。インドのロックダウン期間中の様子をお伝えします。

(※注記:インドでの新型コロナ感染拡大を受け、現在、筆者は国外に退避しています。この記事はインド滞在中に見聞きしたことを基に、出国後に書かれたものです。)

在宅勤務

モーディ首相が強調していたポイントの一つが在宅勤務へのシフト転換です。実行されない企業には罰則も課されるなど強制的な一面もあり、多くの企業が対応措置を講じています。周りのインドの友人たちはIT関係の企業に勤めているため、ほぼ毎日zoomなどのミーティングアプリを使用してコミュニケーションをとって仕事を進めているようです。

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コロナ疎開

サービ業の仕事に従事している人たちや個人商店、工場勤務の方々は仕事がないため実家や親戚の家(農村地帯)に帰省しています。それに加えて都市部では感染の危険があるとして家族で農村部に一時的に身を寄せる人も多くいます。ロックダウン(都市封鎖)されている現在はバスや電車などの交通手段が使えないためコロナ疎開はできません。

食品の買出し

外出禁止令が出ていますが食品の買い出しは許されています。ロックダウン開始当初はインターネットを用いて買い出しするように勧められていましたが、アマゾンなどの大手サイトのサーバーは即日ダウンしてしまい使用不可能になりました。週に一度か二度スーパーマーケットに足を運び食料品を調達します。お店によって様々ですが、朝8時にクーポン券が配られて指定された時間に再度来るように言われます。それ以外では、入場規制されたスーパーに1時間弱列に並んで買い物をします。列に並ぶ際も密にならないように2メートルほどの間隔を開けて並びます。

ロックダウン中のインドの店内
(左:限定された営業時間とマスク着用が必須であることを伝える貼り紙。右上下:ソーシャルディスタンシングを保ちながら列に並ぶ買い物客)

なんとかしてスーパーマーケットに入ったとしても食料品しか買えません。雑貨類などのコーナーはテープで入場禁止になっています。鉛筆一つとして買えません。夏場の猛暑の続く今、我が家の扇風機が壊れてしまいました。でも残念ながら買うことができません。食料品自体はいつも充実していて、欠品で何も買えないということはありません。

個人商店でも食料品、生鮮食品の購入は可能です。店舗はテープで区切られており、1人ずつテープをくぐって買い物をすることができます。何人も一度にテープに入らないように注意されます。

動物への餌やり

インドでは日常的に多くの動物を目にします。犬や猫、牛やラクダや水牛など多種多様です。ロックダウンのため動物たちへの餌やりや残飯探しが難しいと思っていましたが、インドの人々は自主的に動物たちの世話をしてあげています。私の住むアパートの外にロックダウンと同時期に野良犬が4匹の仔犬を生みました。お母さん犬はガリガリに痩せていたので心配していましたが、近所の人は毎日ミルクや残飯をあげ世話をしていました。他にも警察官が野良犬の餌やりをするなど、ほっこりするニュースも地元では聞こえてきます。

警察官のダンス

インドの一部の場所では、警察官がコロナウイルスの被り物を頭に被り、ダンスで人々に外出禁止・自宅待機を促しています。他にも警察官が“手洗いダンス”を踊り、手洗いの大切さを訴えたりする動画が話題になっています。新しいダンスの振り付けを覚えたりマネしたりするのが好きな人の多いインドならではと言えるでしょう。インド人は本当にダンスが好きで、何か表現したり主張したりする際もダンスを踊るという手段をよく選びます。この時期何かと風当たりの厳しい警察ですが、こういったユニークな一面も見せています。

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家での過ごし方

ロックダウン中には理髪店に行くこともできないため、散髪は自宅で、家族がバリカンを使って坊主頭にしています。もちろん男性だけですが、時には小さな女の子も坊主頭になっています。日中は40度を超える暑さの今の時期は最善の髪型かもしれません。

インドのタピオカ煎餅とロックダウンで綺麗になった空
(左上:生のタピオカ煎餅、左下:乾燥後のタピオカ煎餅、右:ロックダウン中に綺麗になった空)

主婦はロックダウン中でも忙しく家事をこなしています。それに加えて保存食を準備したり、大掃除などもしています。タピオカで作った煎餅(後ほど油で揚げて食べます)や麺を天日で干して乾燥させて保存したり、布団やクッションの縫い目を解いて綿を取り出してキレイにしてからまた綿を戻し縫い合わせるなど、細かい仕事は尽きません。それでも夕方のすこし涼しく過ごしやすくなる時間には、大人と子ども一緒にみんなで双六に似たボードゲームで遊んでいます。その辺の板にチョークで線を引き、カラフルな豆をコマに使います。それに毎日の、家族で楽しむスナック類とティータイムも欠かせません。

今回のロックダウン中の嬉しいニュースに、都市部の大気汚染が軽減されて、場所によっては久しぶりに青空が見えるなど、空気がキレイになってきている点があります。要因としては、自動車やバイクの規制による排気ガスの減少や、稼働を見合わせている工場も多いことが考えられます。インド全土がロックダウンされていましたが、今では場所によっては緩和され徐々に普段の生活に戻り始めています。ですがコロナウイルス感染者はいまだに増加しています。中には、自分がコロナウイルスに感染していると思い込み、自ら命を断つ人も出てきています。予防・診断・治療に関する正確な知識の重要性を痛感させられます。

※このコラムは画像を含め社外コラムニストから提供されたものであり、「Webマガジン ニュース・オブ・アジア」編集部および合同会社アジア・パブリック・インフォメーションが内容の正確性・最新性を保証するものではありません。ただし、画像・文章の一部は編集部にて取得、あるいは加工、修正してある場合があります。また、コラム内で表現されている考えは当社の考えを代表しているものではありません。コラムニストの信頼性もしくは誠実さは十分に確認されておりますが、情報の利用は当サイトご利用者様ご自身の責任でお願いいたします。

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