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【インドコラム】インドで出会ったユニークな仕事やお店

路上でサリーをアイロン掛けする女性、一着あたり40ルピー
(路上でサリーをアイロン掛けする女性、一着あたり40ルピー)

インドで出会ったユニークな仕事やお店

スマートホンが一台あれば仕事の登録、例えばウーバーイーツの配達員の仕事などすぐに見つけることができる時代になりました。それはインドでも同じです。ですがインドで生活していると日本でもごく普通にある仕事や職種でも日本とやり方が違ったり、インド独自の特徴があるものがたくさんあります。

ムンバイの弁当配達人「ダッバーワーラー」

以前に少し紹介したことがありますが、大都市ムンバイでは各家庭で奥さんが作ったお弁当を集めて、旦那さんの職場へ届ける弁当配達の仕事を生業とする人たちがいます。彼らを「ダッバーワーラーDabbawala」と呼びます。ちなみに「ダッバー」とはインドの金属製の弁当箱を指します。

この背景に関係してくるのはインド特有のカースト制度。インドでは別のカーストの人が作った食事を食べることに抵抗がある人もいるため自分の家庭からお弁当を持参または届けてもらうのが一般的です。そのためこの弁当配達人のビジネスも成り立ちます。

ポンディシェリーの魚市場の女性達

海沿いの町ポンディシェリーの魚市場に立ち寄るとちょっと不思議な光景を見にします。場内でお店を出しているのは女性だけです。周りを見ると市場で働いているの人のほとんどが女性達です。ここで働く女性達はだいたいが寡婦の人たちです。彼女達の生活をサポートするために優先的にこの魚市場での仕事が斡旋してもらえるそうです。

特殊な器具を使って魚を下処理するインドの女性
(特殊な器具を使って魚を下処理する女性)

彼女達にはそれぞれ店舗番号とショーケースが割り当てられその区画内で魚介類、甲殻類などの販売をしています。市場が開いているのは朝から午後の一時くらいまでの時間ですが、いつ行ってもすごい活気に圧倒されます。

魚やエビを購入後、もしそれらの下処理を依頼したい場合は別の女性にお願いします。彼女たちは魚の下処理を専門に仕事にしています。エラや内臓や鱗の処理、エビの殻剥きなど自分でやると手間がかかるし台所が汚れる心配がありますが、彼女達に依頼すれば大丈夫!でもきっちりお金を取られます。相場は1キロあたり30ルピーです。魚を2〜3匹買って、エビを500g買えば500ルピーくらいでプラス下処理代が60ルピーぐらいで済みます。

炎天下に建設現場で働く人たち

現場監督や技術を持った数人以外はほとんどが日雇いの労働者。南インドの男性は男性用のスカート「ルンギ」を着ています。女性は普通に「サリー」を着たまま現場で働いています。インドでは今でもほとんどの現場仕事は人力でなんでも行っています。レンガブロックの荷下ろしや瓦礫の片付けなどトラックの荷台一杯分の分量でも数人で何度も往復し1、2時間で仕事を完了します。それはまるで人間コンベア状態です。

小さな現場ではコンクリートミキサー車が来ることはまずありません。今年友人の家がリノベーションされるのを手伝いに行きました。家の前にはトラックから降ろされた山積みにされた砂と砂利。全て手作業でコンクリートを作っていきます。

インドでは建物の基礎打ち工事などにはコンクリートミキサーを使います。でも砂と砂利が道の大半を占領しています。
(建物の基礎打ち工事などにはコンクリートミキサーを使います。でも砂と砂利が道の大半を占領しています。)

①砂とセメントをくわで何度もよく混ぜる

②山状にした真ん中をくぼませて砂利と水を加えしばらく放置

③用途に合わせてくわでコンクリートを混ぜ、水分量を調整

この工程を永遠と繰り返して必要量をまかないます。

炎天下の下バケツに入った10キロ以上の砂や砂利、コンクリートを混ぜたり運ぶのは並大抵の体力ではできません。建設現場で働く友人に話を聞くと夏場は体調を崩す人が多いそうです。給与について聞いてみると日雇いなら1日500ルピー、でも彼は技術を持っているので一日800ルピーだそうです。一般的なインドの仕事からしたら意外といい給料と言えるでしょう。

ガソリンスタンドはセミセルフ、タイヤの空気入れ係

ガソリンスタンドで給油する際は係員に金額を伝えて金額分の燃料を入れてもらいます。でも給油キャップを開け閉めなどサービスに関係することは自分でするのでセミセルフスタンドと私は感じています。お客さんが引っ切りなしに来るので給油後は速やかにエンジンをかけて離れないと店員さんに嫌がられてしまいます。

インドの道は凸凹していてお世辞にもいいとは言えません。舗装されていても穴や溝があちこちにあります。さらにインドではバイクに多くの荷物を乗せたり、いつも二人乗りをするためバイクのタイヤへの負担は大きく、空気をまめに入れる必要があります。タイヤの空気が減るとパンクの原因になりかねません。

ガソリンスタンドには空気入れ専用の機械が置かれています。係員の人がバイクの前輪後輪の空気を入れて5ルピーでやってくれます。空気入れにはいつも人が列を作っている時もあるので、係の人は朝から晩までずっとただタイヤに空気を入れています。

インドのガソリンスタンド
(インドのガソリンスタンド)

アイロン掛け屋さん

日本で言うところのクリーニング屋さんのようですが違います。電気のアイロンもありますが、もう一つは熱した鍋のようなものを衣類にあててシワを伸ばしていきます。出来上がると新聞でシャツを包んですぐに受け渡し。出勤前の男性がその場でシャツを脱ぎアイロンがけをしてもらってから仕事場に向かうという光景も見かけます。

夕方から路上でドサを売る人たち

夕方から夜にかけて道路沿いでよく売られているのは「真っ白い液体の入った袋」。それが大きめのテーブルに並んで置いてあります。これはドサDosaです。お米を水に一晩浸し水ごとミキサーでペースト状にしたものです。これを各家で作ったものを袋詰めし路上で売っています。容量によって値段は異なりますが一つあたり30〜50ルピー。これをフライパンでクレープ状に焼きます。チャット二ーやサンバカレーと一緒にいただきます。卵や野菜を加えてエッグドサを作ったり、イドリといった米粉の蒸しパンを作ったりもできます。

まとめ

日本の場合は自分に合った仕事を探す、仕事から得られる意義や充実感が重視されるかもしれません。伝統や勤勉さといったお金には換算の難しい仕事に対する姿勢も求められていると思います。

インドの仕事は生きるためにするもの、働く=お金を得るための手段のため選択肢はそれほどないといえます。でも彼らのフレンドリーさや笑顔は生活苦を感じさせるものではなく、店員さんやお店の人と話すとすぐに親近感、生き抜くためのエネルギッシュさや生活力に感心します。

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