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【インドコラム】2022年インドの記録的な猛暑が到来

インドの大熱波-水辺に集う

2022年インドの記録的な猛暑が到来

2022年のインドの夏(4月〜6月)は記録的な猛暑になっています。暑さに慣れているインドの人たちが「暑い!暑い!」と毎日連呼している姿は傍から見てとても新鮮です。今年の熱波によって各地で最高気温45°C近くを何度も記録しています。体感温度ではそれ以上の温度のため、まるで低温サウナ(40〜60℃)に入っている感覚です。低温サウナの推奨時間は10〜15分ですがインドの熱波はそうも短時間では収まりません。インド気象局はコロナパンデミックとは別に熱波の警戒レベルを設置して赤い警報地域には健康のために室内に留まるように促しています。

みなさんもきっと「2022年インドの猛暑」のニュースを見聞きしたかもしれません。現地で体験したインドの熱波、地元の方々の猛暑の過ごし方などをお伝えします。

なぜ今年はとりわけ暑いのか⁉︎

2022年のインドの熱波は「異常気象」によって引き起こされています。メディアではラニーニャ現象やヒートアイランド現象が関係していると報道されています。ABCニュースの記事によると「この熱波によって1901年以降で最も暑い3月になった」とのことです。(詳細はサイトをご覧下さい。https://abcnews.go.com/Technology/wireStory/indias-northwest-reels-unusual-early-heat-wave-84010505 )

熱波によってどんな影響が出ているのか?

農作物への影響:暑さによって農作物の生産量が低下しています。インド政府は5月14日には小麦の輸出制限、5月24日には砂糖の輸出制限が決定されました。小麦、砂糖ともに世界有数の生産量を誇るインド、既に国際的に小麦の価格が高騰するなど影響が出ています。

電力不足:一般的な家庭にエアコンなどの冷房設備はまだ普及していませんが、今年は使用電力が逼迫してます。インドの主な電力供給を担っている火力発電所では使用される石炭が不足している問題も重なっています。国内石炭の供給が間に合っていないために国外の割高な石炭を輸入して対処しています。そうした背景もあるため各地で計画停電が毎週実施されています。私たちの都市でも月曜の朝や夕方といった比較的涼しい時間帯に計画停電が実施されています。

インドの大熱波-灼熱の太陽が襲う

労働環境の悪化:エアコンの効いたオフィスや工場ならまだしも日中の炎天下に屋外で仕事をするのは危険が伴います。屋外での仕事をしているインドの友人たちは何度も熱中症で体調を崩しています。私の妻も炎天下の中で2時間外出しただけですが二日間寝込んでしまいました。

他にも水不足、猛暑のため教育機関は休校や夏休みの延長を決定しています。今回の熱波はインドでは「キラー熱波」とも呼ばれるほど今年の猛暑で多くの方が命を落としています。

インドの暑い夏の過ごし方

服装はぴったりしたものよりもゆったり風通しの良い服装が好まれています。女性の夏の定番サリーはソフトサリーです。通気性がよく、軽く、肌に触れた感触は柔らかく、着心地が良い素材のものをソフトサリーとして一般的なサリーとは区別しています。男性用のシャツはタックアウトが主流でシャツの裾をパンツから出して着るようにデザインされています。インドは一年を通して日本でいうところのクールビズスタイルです。男性も女性も白い衣類が多く、女性は白いスカーフなどを使って頭を覆って日射しから頭部を守っています。ちなみに妻はいつも黒や紺色のスカーフを愛用しているためいつも近所の人たちから「夏は白を使いなさい」と注意されています。

熱中症にならないためにも水分補給は大切ですよね。ビタミンやミネラルは汗と一緒に排出されてしまうために水分補給も兼ねてレモンジュースやサトウキビジュースといった果汁ジュース類、ラッシーやミルクシェイクも人気があります。猛暑中に胃腸が弱ってしまう人たちも多いためヨーグルトを使った料理もおすすめです。

炎天下の不要不急の外出を避ける。日中の暑い日射しの中にスーパーマーケットに行こうとしたら「この時間に外出はやめておきなさい、涼しくなってから行きなさい。」とか「日陰に入りなさい」といった言葉を掛けられます。年配の方や病弱な方は特に注意して朝や夕方の涼しくなった時間になって外出しています。動植物の世話や屋外の家事も時間帯を選びます。私自身洗濯物を屋上に干しに行くだけで頭がクラクラしてしまうことが何度もありました。

他にもアイスクリーム屋さんが夜遅くまで子供連れの家族などで繁盛していたり、休暇をプールパークや海に行き水浴びをして涼むといった光景もよく見かけます。

インドの大熱波-信号待ち用に設けられた日よけ

南インドのエアコン事情

一般的な家庭にエアコンなどの冷房設備はまだ普及していないと言いましたが、南インドでは例外的に普及していると言えます。私の周辺では10人中8人はエアコン持っているので以前住んでいたインド西部マハーラーシュトラ州と比べると格段に普及していると言えます。なぜならエアコンが無ければ暑くて眠れないからです。南インドの友人は数日間クーラーが故障したために寝不足と体調不良で目の下にクマができていました。電気代が多少高額になるとしても快適な睡眠、休息には変えられません。

エアコンが普及して一見いいことのように感じますが、その反面エアコンを使うことによって家中のほこりやカビが舞い上がりアレルギー症状を起こす人も増えています。エアコンが使われている室内にいると鼻水、咳、くしゃみといった反応が現れるため長時間室内に滞在できません。

まとめ

インドの夏は毎年暑いと感じていましたが、2022年は特に厳しい暑さが続きました。地元のインドの人々はいつも以上に声を掛け合って互いの健康を気遣いつつ、必要が有れば水を分け合うなどの助け合う姿を見かける事がありました。この猛暑をみんなで協力し合って何とか乗り切ろうとしている意気込みを感じました。

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