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【インドコラム】深刻化するインドの水不足

私たちが生きていく為に絶対欠かせないもの、それは水です。洗濯、掃除、シャワーなど身体や住まいを清潔に保つためにも欠かせませんし、水分を摂取して体内のさまざまな機能を正常に保ち生命維持にも欠かせません。インドでは毎年深刻な水不足が問題となっています。インドの総人口13億人のうち6億人が深刻な水不足にあるとも報告されています。毎年20万人が飲料水不足または清潔な水を確保できないために亡くなっていると言われています。問題の原因は急激な人口の増加、インフラ整備の遅れ、猛暑による水の枯渇など様々ですが、本当に水が足りていない。

インドで生活する中で感じたインドの水不足、水事情について話したいと思います。

水の確保に翻弄される⁉︎

インドのキッチンシンクでは基本的に蛇口は2つが基本です。一つは飲料水が出てくる蛇口、もう一つは飲めない水が出てくる蛇口です。二日に一度決められた時間に政府が供給する飲料水をペットボトルなどに入れるなどして確保する必要があります。以前に住んでいた家では朝の7時から15分間だけしか供給されず、水の供給がないこともあり各家庭では水をキープしておきます。そのため各家庭には人がスッポリ入れるほどの大きな水を溜めるためのプラスチック樽が常備されています。飲料水とはいえ一度煮沸して飲む必要があり、日本のように蛇口から直接飲むことはできません。水自体の味も安定しているわけでもないため、今では外国人だけでなくインド人も20ℓのボトルミネラルウォーター(100ルピー程度)を注文して家庭で飲む人も増えてきています。

対照的に貧困層の家庭では飲料水は家に引かれておらず。毎回家の外に飲料水を汲みに行く必要があります。水を溜める壺を担いで何度も往復しなければなりません。水の供給が安定しない夏場は深夜3時に水汲みに行く必要があるなど、人々の時間と体力の消耗が激しいため日常生活における影響はとても大きいといえます。どの家庭においても水の確保は深刻な問題となっているのです。

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節水して生活

一般家庭でも皿洗いをする時、衣服を洗濯する時など、家事をする際も極力少量の水を使い節水しています。私が蛇口の水を出しっ放しにして食器洗いをしていたところ、インドの友人に注意されました。節水はどこの家庭も徹底している印象がります。

アパートによっては洗濯機を設置できないところもあります。洗濯機は水を使い過ぎてしまうため、アパートの貯水タンクによっては許容範囲を超えてしまい使えません。比較的大きなマンションは問題ありませんが、1日に何度も洗濯をしてしまうと水が無くなってご近所トラブルになる可能性も。インドではいまだに二層式洗濯機が人気がありますが、その背景には全自動洗濯機とは異なって同じ水を繰り返し使って“洗い”をすることができるため、容易に節水できると考えられていることがあるようです。

水洗式トイレも一般的ですが便器洗浄用のタンクが付いていないタイプも多く、このタイプはバケツや桶で自分で手動で流す必要があります。ムンバイ国際空港や多数のホテルではTOTOの節水便器が採用されており、これから節水のための技術が家電製品やトイレに限らず向上していくことが期待されます。

まとめ

インドでは“水マフィア”と呼ばれる、非合法で手に入れた水を高額で売りつける商売をしている人たちもいます。でもそれに頼らなければ生活できない人たち、水を確保できない人たちもいるのがインドの実情です。国連の2019年度世界人口推計の中でインドは、2019年から2050年にかけて最も大幅な人口増加が起きると見られる国に挙げられています。加えて2027年頃には中国を抜いて世界で最も人口が多い国になるとみられます。将来ますます深刻化する事が予想される水問題。抜本的な解決が待たれます。

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