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【編集長コラム】ネパールのコーヒー事情を探る⑥

記事公開日: 2020年10月18日

皆さん、こんにちは。ずっとコラム執筆をさぼってきたHBK.Iです。

コロナ関連のニュースが続いていますが、ここでは引き続き、ホッと一息つけるコーヒーの話題をお伝えしたいと思います。前回は、ネパールのファーストフード店にもエスプレッソマシンが置かれることが一般的になってきているというお話でした。筆者がカトマンズで出会った、驚愕の“Mocha Maddness”についてもお伝えしました。

今回と次回は2回にわたり、前回の予告どおり、ネパールの本格的なカフェの現在地をお伝えしていきたいと思います。

ネパールは、本格的なカフェにも2通り

ネパールには、「○○カフェ」と名の付くファーストフード店がたくさんあります。しかしその実態は多くの場合、ファーストフード店であったり、若者たちのたまり場だったりします。それでも、観光地を中心に、本格的なコーヒーの楽しめるお洒落なカフェも増えつつあります。

そういったカフェを、筆者は勝手に2つのレベルに分けています。といっても、セカンドウェーブのシアトル系とサードウェーブのスペシャリティコーヒーといったような分け方ではありません。「本物のカフェ」と、「本物のカフェを目指しているカフェ」です。トップクラスとミドルクラス、と言えばもう少しカッコイイでしょうかね。もう少し実情に即して言うと、純粋なカフェとしてのカフェと、ファストフード店から発展してその殻を破りつつある段階のカフェの二つです。

トップクラスについては次回に譲るとして、今回レポートしているのはネパールのミドルクラスのカフェ、「本物のカフェを目指しているカフェ」の現在地です。(※記事内に登場する幾つかのカフェについてはマイナス面も記載してありますので、店舗名は伏せてあります。)

カトマンズのとあるカフェにて

ネパールの首都には、盆地内をぐるりと一周する環状線があります。その名も、ずばり「リングロード」。このリングロード沿いやリングロードに繋がる主な通りには、数多くのファストフード店が営業しています。(ネパールのファストフード店の実情については前回の記事をご覧ください。)よく目に留まるのは「KFC」でしょうか。フライドチキンで有名なあの世界的チェーンではなく、「Kwality Food Cafe」だったり、「Kathmandu Food Cafe」だったり。ケンタッキーも、何店舗か営業してはいます。

その中に一つ、「お、これはちょっと本格的なカフェかな」と思わせてくれるお店を見掛けました。

入ってみると、まぁまぁ清潔感があり、お洒落な感じの内装になっています。

メニューを見ればネパールのファストフード店おなじみのメニューも並んでいますが、店を入るとおいしそうなケーキが並んで出迎えてくれます。

が…。

ネパールのカフェのショーケースに結露
(ネパールのカトマンズ市内のカフェにて、2019年7月14日18時53分撮影)

悲しいかな…ショーケースはご覧の状態…。

仕方ないですね、ネパールですから。いかにもネパールのコーヒー事情の現在地を表しています。

ですが、コーヒーの方はなかなかしっかりした仕上がり。アイスコーヒーを頼んだら、なんとフォームドミルクの冠付き。ストローも、なんと丁寧にハート型に折ってくれているではありませんか。シロップは、ネパールのサトウキビからとれた砂糖をお店で煮詰めて作ったんだろうなぁと想像させてくれる、なんとも愛着の湧く黄金色。

ファストフード店の殻を破りつつあるカフェが出てきたことを喜びつつ、店を後にしたのでした。

ネパール、カトマンズ市内アイスコーヒー
(ネパール、カトマンズ市内のカフェにて、2019年7月14日17時55分撮影)

ポカラのとあるカフェにて

もちろん、こういったミドルクラスカフェは、カトマンズだけでなく、他の地域でも発展しつつあります。ネパール最大の観光都市、カスキ郡ポカラに目を移してみましょう。

ポカラにはフェワ湖という湖があり、その岸辺に沿って外国人旅行客が多数集まるレイクサイド地区が発展しています。このレイクサイドには、世界各国からの旅行者が満足できるカフェが並んでいます。

なので、今回はもう少し地元密着のカフェへ。ポカラ市の地元の商業・交通の中心地と言えば、プリットゥヴィチョークとすぐそばのニューロード。レイクサイドに比べれば外国人観光客の数は減りますが、地元の人のみならず、国内からの観光客も集まる場所ですし、大きな病院も近くにあります。

そういった地区に位置する、とあるカフェに休憩に入りました。この店は内装もメニューもまさにカフェそのもの。やはりポカラは一味違う、そう期待させてくれます。

頼んだコーヒーは写真のとおり、お洒落な木の板に載せて運ばれてきました。砂糖が二袋ついてくるあたりが、甘いチヤ文化から発展してきたネパールらしいですね。

ネパール・ポカラのコーヒー
(ネパールのポカラ市内のカフェにて、2020年3月4日16時40分撮影)

しかし、このレベルのカフェであっても、ネパールでは油断はできません。いつもコーヒーが飲めるとは限らないのです。

どういうことでしょうか。

この店でこんなことがありました。

店に入り、窓際の席に着きます。立地条件の良いお洒落路線のカフェであるにしては少し薄暗く、お客さんがいないのが気にはなります。それでも、ネパールですし、気にせず座ります。

店員さんを呼び、コーヒーを注文すると…

「あ~……。今停電中ですので、コーヒー淹れられません…。」

あ~…。

そんな、ネパールコーヒーの現在地です。

最後に、ネパールのハイウェイ上のコーヒー店

ネパールでの近年のコーヒー需要の高まりを示している一つの大きな変化が、ハイウェイにあります。鉄道が整備されておらず、陸路の移動と言えば(最近は自家用車も増えつつありますが、)バスやバイクが主流のネパールでは、ハイウェイ沿いに食堂や軽食屋さんが点在しています。

例えば、カトマンズ—ポカラ間の移動にもツーリストバスで平均7時間かかりますので、こういった休憩所に2度ほど立ち寄ることになります。右の写真は、そういった食堂のうち代表的なものの例です。以前は、こうした場所で提供されている外国的なものと言えば、コーラやプリングルスくらいなものでした。

ネパール、プリットゥヴィハイウェイ上の一般的な食堂
(ネパール、プリットゥヴィハイウェイにて2020年2月13日12時44分撮影)

ところが、近年はコーヒー店が各地で見受けられるようになりました。注文を受けてからきちんとエスプレッソマシンで淹れてくれます。そのままバスに持ち込んでもこぼれないようにと容器にも配慮されているので、乗り遅れないようにと急いで飲み切る必要はありません。下の写真の店舗も、上の写真の食堂のすぐ横に建てられたものです。

ネパールのハイウェイ沿いにあるコーヒー店
(2020年2月13日12時40分、プリッティビハイウェイにて撮影。左奥にエスプレッソマシンが見える。)

地元の旅行者には十分満足のいく、そして外国人観光客の海外旅行気分も高めてくれそうな、まぁまぁ素敵なデザインですよね。

ネパールの長旅に、こういった彩が定着してきた今日この頃です。

HBK.Iでした。

※このコラムは「Webマガジン ニュース・オブ・アジア」編集長が個人資格で投稿しているものであり、当サイトおよび運営会社の考えを代表しているものではありません。

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