中国では夏休みが開けた9月から新年度が始まります。
それで、今のこの時期は新しい生活をスタートした学生たちでにぎわいます。
今回は、中国の学校事情を紹介したいと思います。
中国の義務教育
中国の義務教育は、現在小学校6年間と初級中学と呼ばれる中学の3年間を合わせた9年間と定められています。一部の地域では高級中学と呼ばれる高校の3年間を加えた12年間を義務教育にしています。
これから将来12年義務教育を全国的に広めていく計画があるようです。
初級中学は略して初中(チュージョン)と呼び、高級中学は高中(ガオジョン)と呼びます。
高中に上がるときと、大学に入る際には日本と同じように試験があり成績によって入れる学校が決まります。
小中学校
都市か農村かでだいぶ様子は違うのですが、一般的な都市の小学校では、本籍地、住民票の住所や入居年数(都市によるが、大抵二年ほど)などの幾つかの条件によって入学できる学校が決まります。
公立小学校にもランクがあり優秀な学校には、優秀な先生が集まります。
また先生のランキングというものが各学校で公表されていて、どれだけ資格と実力を兼ねた先生がいるかどうかが学校の評価基準となっているようです。
転校生が多い
入居年数が満たされたので、さらにレベルの高い学校に移るなどいろいろな理由から、転校は比較的良く行われるようです。
小中学校の登下校
基本的に父兄が学校の門まで送り迎えするか、スクールバスを利用します。
中国では、両親は共働きをして、父方の祖父母が孫を世話するというのが一般的な家族のカタチです。
そのような事情から祖父母が登下校の世話をすることが多いです。
一部では、専業主婦が多い地域もあります。

宿舎
家が遠い生徒のため寮が用意されている学校もあり、六人から八人部屋に寝泊まりします。
小学生や中学生の場合は、周中は寮で過ごし週末は自宅に戻ることが多いようです。
昼食
給食制度はありません。
学校内の食堂で食事をとることができたり、購買部で軽食を買う事ができます。
または昼に一度家に戻って食事をすることも出来ます。
食事に家に戻る際は、必ず父兄が送り迎えをします。
既定の服装
制服はありませんが、体育用のジャージは各学校で指定のものがあります。
小学生は红领巾(ホンリンジン)と呼ばれる、赤いネクタイの着用が推奨されています。
红领巾(ホンリンジン)は国旗を表し、毎週月曜に行われる国旗掲揚の際には着用が義務付けられています。(各学校によって対応が若干異なります。)
下校後
小学生は午後3時半ごろから4時半ごろの間に下校します。
学校によっては授業後も子供を預かり宿題をさせたり、校外の托管(トゥオグアン)と呼ばれる放課後託児所に行き宿題をします。
中国の都市部にある学校が出す宿題はとても多いので、小学生であっても毎日夜の10時くらいまでかけて完成させることが通常です。
農村部では、緩やかなところがまだあるようです。
中学生は午後5時以降授業が終わります。
中学生もたいてい放課後は塾に行ったりして、宿題に取り組みます。

高校
高中(ガオジョン)と呼ばれる高校には、中学三年生の時に中考(ジョンカオ)と呼ばれる受験を受けてその成績によって、入る学校を決めます。
職業教育を行う中等専門学校(4年制)や、技術労働者学校と呼ばれる3年制の専門学校に入学することもできます。
高校生活
現代の学生は高校が一番忙しいと言われています。
ほとんどの学生が高1から高考(ガオカオ)と呼ばれる大学受験に向けて勉強漬けの毎日を送ります。
放課後
5時半ごろには授業が終わり、そのあとは膨大な量の宿題をとにかく毎日こなします。普通の学生でもやり終わるのに12時を回ることもよくあるようですよ。
職業学校の宿題は普通課の学校と比べてかなり少ないようです。
大学受験(高考)
中国の大学受験は日本のセンター試験に似ています。
進学を希望する高校生が一斉に試験を受け成績によって入れる大学が決まります。
本籍や、民族によって点数が増えたりと、筆記試験以外からも点数が入ることがあります。
大学受験のストレスを回避するために留学という道を選ぶ学生も少なくないようです。
日本も人気の留学先のひとつです。
高等教育
大学(大学・学院)には,学部レベル(4~5年)の本科と短期(2~3年)の専科とがあります。
その後、大学院レベルの学生(研究生)を養成する課程・機関(研究生院)に進学できます。
就学前教育
三年制の幼稚園(幼児園)又は小学校付設の幼児学級があり,3~6歳の幼児が入園できます。
幼児教育

早教と呼ばれる0歳から3歳までの幼児教育がここ最近人気を博しています。
まとめ:中国は教育熱心
外国から転入すると授業に全くついていけないと言わるほど、中国の学校の授業内容はかなり進んでいます。
でも、外国人の子どもが入校できる外国語学校もありますので転校等で中国での子育てをお考えの方も安心してくださいね。
同じアジアでも、教育方法が異なるのは興味深いですね。
もし来ることがあれば学校を見学するのも面白いですよ。
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