国土が広い中国の夏は、地域によって感じ方が全く異なります。
場所によっての違いや、中国ならではの暑さ対策を紹介しますね。
梅雨
中国では長江から南部にかけて(上海辺りから南方面)や沿海部は梅雨があります。
広州辺りは4月から6月の間が梅雨で、上海などは6月から7月が梅雨の時期になります。
北部(北京やハルピンなど)や内陸の西部(新疆ウイグル自治区など)は梅雨がありません。
中国語でも梅雨は、「梅雨」と書きメイユーと読みます。
梅雨入りを「入梅(ルーメイ)」と言い、梅雨明けを「出梅(チューメイ)」と言います。
「四大火炉」
中国の中でも特に暑い4つの都市、重慶、福州、杭州、南昌を「四大火炉(スーダーフオール―)」と呼びます。
火炉とは炉やかまどの意味です。
つまり火を焚いているかのように熱い街という意味ですね。
この呼び方は古来から伝わる表現で、とくに明確な判断基準が定められていなく直感で4つの都市が選ばれていたときは、南京や武漢も含まれていたようです。
現在は、平均最高気温や最低気温、高温日数、高温連続日数などを参考基準に定めています。
「四大火炉」の含まれる地域は、大部分が長江周辺の大都市になります。
これらの街の夏季は湿度も高いので、じめじめとした気持ちの悪い暑さが続きます。
重慶など特に年中湿度の高い所(年間平均湿度70~80%)では、むくみ対策として唐辛子や山椒を食べるようになったと言われています。
東北地方の夏
東北地方のハルピンなどは、30℃超えることもありますが、乾燥しているのでさわやかに過ごせクーラーいらずです。
ただ東北と言っても、北京辺りは35℃を超えることがあり、梅雨もないので6月くらいから気温が上がり夏が長く感じられます。
中国の避暑方法
暑さから逃れるために中国の人もいろいろな対策をします。
いくつかの方法を紹介しますね。
扇風機・エアコン

中国の一般的な家庭用扇風機やリビング用のエアコンは、背がとても高いです。
古代から椅子に座る習慣があるためのようです。
最近では、日本式のサーキュレーターやダイソンのような羽のないタイプも人気を呼んでいます。
(←中国のとある扇風機売り場。背が高い扇風機が一般的。)
避暑地
暑い夏には天然のクーラーを求めて山岳地帯などの避暑地に出かけたり、海水浴を楽しんだりするのも人気です。
人気のある避暑地は南西部にある貴陽や雲南など。
そのあたりは少数民族が多く、大自然と伝統的な民族文化を体験できる場所として国内外の旅行客がたくさん来ます。
海水浴は、北は青島や大連、南は海南などが有名です。

アイス
中国医学では冷たいものは極力食べないように勧めています。
それで中国の人は基本的に冷たいお水は飲みません。
ですが、アイスは昔から人気があるんです。
昔ながらのアイスでおすすめは老冰棍(ラオビングン)と绿豆冰棍(リュウドウビングン)、1本1~3RMB(約15~45円)ほどと、とっても安いんですがそれでも一昔と比べたら値上がりしたそうですよ。

老冰棍(ラオビングン)とは、みぞれ味のシンプルなシャーベットアイスです。(写真左)
绿豆冰棍(リュウドウビングン)とは、緑豆を使った小豆バーのようなアイスです。(写真右)
ちなみに、小豆バーもあって红豆冰棍(ホンドウビングン)と言います。
どれも、とてもおいしいです。
江西省辺りの一部の地域などでは、昔から学校の前などでかき氷も売られているようです。
最近は都市部で台湾式のマンゴーなどがたくさんのったかき氷屋さんも若い人に人気です。
紫外線対策
中国では色白の女性が美しいとみなされています。
それで、紫外線対策として中国の女性も日傘や帽子を愛用しています。
一般的な交通の足は電動バイクなんですが、夏の時期はバイクに短時間乗っただけで日焼けしてしまいます。
それで電動バイク用の紫外線対策グッズがたくさん売られていて、中には顔まですっぽりかぶるケープもあったりなど面白い工夫が凝らされています。
男性も熱中症対策として、アームカバーをつけてバンダナを口元から巻いていたりしています。
夏におすすめ中華料理
中国の夏野菜は、キュウリ、ゴーヤ、トマト、へちま、冬瓜などです。
夏ならではの中華料理を3品紹介しますね。
凉皮(リャンピー)

凉皮(リャンピー)とは、陝西省の郷土料理でキュウリや、もやし、パクチーなどをトッピングした弾力のある麺を、甘酸っぱ辛いタレでからめた麺料理です。
ニンニクがしっかり効いているので、夏バテ気味で食欲のない時にもつるっと食べられちゃう夏の強い味方です。
绿豆汤(リュウドウタン)
緑豆は、利尿、解毒、解熱作用があると言われ、夏の時期によく食べられる食材です。
一般的に緑豆を煮詰めて作ったスープを飲みます。
麻辣龙虾(マーラーロンシャ―)
龙虾とはアメリカザリガニの事で、初夏が旬になります。
麻辣龙虾(マーラーロンシャ―)とは、茹でたザリガニを麻辣味で味付けした料理です。
夜食としてビールのお供に食べます。
まとめ
国土が広いぶん、夏と言っても地方によって違った楽しみ方があるのが中国の面白い所。
機会があれば、ぜひ体験しに来てみてくださいね。
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