
中国茶のいろいろ
中国のお茶と聞くとウーロン茶がまず思い浮かびますよね。中国のお茶の文化はとても深く地方によって楽しみ方も変わってきます。今回は中国茶の種類や楽しみ方などを紹介していきますね。
お茶の種類
中国のお茶はすべてカメリア‐シネンシスというお茶の木から作られています。発酵の段階で1・緑茶(リューチャー)2・白茶(バイチャー)3・黄茶(フアンチャー)4・青茶(チンチャー)5・紅茶(ホンチャー)6・黒茶(ヘイチャー)の6種類に分かれています。
それぞれの特性を紹介していきますね。
1・緑茶(リューチャー)
緑茶は発酵されていない状態の茶葉です。フレッシュな味わいが特徴で大陸で一番よく飲まれているお茶になりスーパーなどでも手軽に買うことができます。
製法によってさらに「炒青(釜炒り)」、「烘青(熱風処理)」、「晒青(天干し)」、「蒸(蒸し)」の4種類の製法に分かれ、それぞれ茶葉の風味が変わってきます。
特に人気が高いのは釜炒りタイプの緑茶で、どのタイプもお茶を入れると水の色が半透明の薄い緑色になります。お茶を出した色のことを水色(すいしょく)と言うそうです。
日本の緑茶のほとんどは蒸しタイプになり、中国では実はあまり親しまれていません。
2・白茶(バイチャー)
白茶は茶葉を微発酵させたものです。
福建省で生産されていて、飲み口があっさりしていて優しく甘い飲み口です。
表面の白い産毛(白毫)があればあるほど良質な茶葉だと言われています。
3・黄茶(フアンチャー)
生産が少なくあまり市場に出回っていないレア度が高いお茶です。
発酵を止めた後さらに酸化をさせる工程があります。
緑茶よりもコクのある味わいが特徴です。

4・青茶(チンチャー)
ウーロン茶は青茶(チンチャー)になります。
銘柄によって発酵度(30-70%くらい)が変わり味わいがかなり違います。
産地によって1・台湾(台湾)2・閩北(福建省北部)3・閩南(福建省南部)4・広東(広東省)の4種類に大きく分かれています。
一番ポピュラーで日本人にもなじみの深い鉄観音は閩南に属します。
5・紅茶(ホンチャー)
紅茶と聞くとイギリスやインドをイメージするかもしれませんが、実は紅茶も中国発祥のお茶になります。もともとはイギリスが中国の紅茶を輸入していた流れで、東インド社がインドに農場を作ったことからインドでも紅茶の生産が増えたそうです。
紅茶は茶葉を完全に発酵した状態のお茶になります。
紅茶にも種類があり大きく分けて1・子種紅茶2・工夫紅茶3・紅砕茶の三種類に分けられます。
子種紅茶が紅茶の中で歴史が一番古い品種になり、独特な甘い深い香りがします。ティーパックやミルクティーに使われるのは紅砕茶になります。
6・黒茶(ヘイチャー)
黒茶とは酸化発酵を止めた後さらに微生物発酵をさせた後発酵させたお茶になります。
中でも有名なのはプーアル茶です。
自然に発酵させたものを生茶と呼び、初めのうちは大変渋いのですが5年ほど経過すると渋みが落ち着き飲みごろになります。さらに年数を重ねれば重ねるほど渋みが減って深みが増していき香りとともにまろやかでこってりとした味わいのあるお茶になります。
中国茶の入れ方

お茶の入れ方に決まりはなく好きな形で飲むことができます。
茶器は日本のものと比べて小さく(150㏄-200㏄ほど)少しずつ飲んでいきます。
中国茶はまずお湯を茶葉が浸るくらい少し注いだら香りを楽しみます。茶葉が開いたらお茶を一度捨てます。茶葉を洗うという意味があるようです。
二杯目から味を楽しみます。
お湯を何度も入れて煎数を重ねていくにつれて変わっていく味や香りを楽しみます。
お湯の温度はお茶の種類によって違い、緑茶は約85℃、紅茶・黄茶は約90℃、白茶約95℃黒茶は100℃が適温とされています。これを基準に茶葉が柔かい場合は低い温度で淹れるとおいしくなります。
日本の抹茶
日本の抹茶も中国のお茶が起源で、中国でも同じように茶葉を粉末にしてお湯を注いでから茶筅で点てていただく方式の点茶という種類のお茶があります。
宋代点茶とも言い、どの茶葉を使うかにもよりますが日本の抹茶よりも薄味と個人的には感じました。
緑茶の粉末を使うのが基本ですが、白茶や紅茶の粉末で点てることもできます。
お茶文化
地方によってお茶に対する見方が違うようですが、東北地方と南方では来客にはお茶セットを挟んで座り家主がお茶を淹れてもてなすという習慣があります。おしゃべりをしながら、茶器が空いたら家主はすぐにお茶を注いで、茶器の中のお茶を絶やさないことがマナーになります。
茶学
お茶は大変奥が深いので専門の大学があります。茶艺と呼ばれる茶の作法を学んだり、茶学と呼ばれるお茶の種類などの知識を学ぶことができます。
まとめ
中国のお茶は大変種類が豊富で、例えばウーロン茶といっても品種や産地で味も香りも変わってくるので好みの味を見つけるのもとても面白いですよ。機会があったらぜひ中国茶に触れてみてくださいね。
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