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【中国コラム】「中考」と呼ばれる中国の高校入試

中国の高校受験。芸術系の塾の写真
(中国の芸術系の塾)

「中考」と呼ばれる中国の高校入試

先回は、6月上旬に行われる学生の一大イベント、日本のセンター試験にあたる「高考(ガオカオ)」についてご紹介しました。今回は同じ時期に行われる「中考(ジョンカオ)」と呼ばれる日本の高校入試に当たる中学生が取り組む試験について紹介していきますね。

「中考」とは

「中考(ジョンカオ)」とは日本の公立高校入試にあたる試験です。

正式には「初中学业水平考试(チュージョンシュエイエシュェイピンカオシー)」と言います。

中国の大学入試がとても過酷だということは先回お伝えしましたが、良い大学に行くためにはまず良い高校に行かなくてはというロジックで、高校入試の「中考(ジョンカオ)」も大変重要視されています。

各省や市によって実施時期は多少異なり、たいていは6月中旬から下旬に行われます。

省や市・区ごとに統一された入試試験を一斉に受け点数に基づいてどの高校や職業高校などに進学するかが決まります。

成績が各地の設定した進学最低ラインに満たない場合は、どこにも進学することができません。

中学も高校も「中学」?

実は中国語で「中学(ジョンシュエ)」というと高校と中学の両方を指します。

高校のことは「普通高级中学(プートンガオジージョンシュエ)」と言い、短く「高中(ガオジョン)」と一般的に呼びます。

そして中学は「初级中学(チュージージョンシュエ)」と言い、略称は「初中(チュージョン)」と呼びます。

義務教育は日本と同じで「初中」までとなっています。

受験科目と点数配分

中学入試は全国統一されておらず、各省や市・区でテスト内容が異なり、受験科目と総合点数、テスト時間も違ってきます。

例えば2022年度北京では国語(テスト時間150分、100点満点)、数学(テスト時間120分、100点満点)、英語(テスト時間:筆記90分リスニング30分、筆記60点リスニング40点満点)、体育(40点)、物理、道徳と法治、化学、生物、歴史、地理(テスト時間70分、80点満点)となります。

生物と化学から一科目、歴史と地理から一科目選択します。

合わせた総合得点は660点となります。

2022年度上海では国語、数学、英語(テスト時間90分、150点満点)、物理(テスト時間130分、筆記70点実験10点)、化学(130分、筆記50点実験5点)、跨学科案例(15点満点)、道徳と法治、歴史(60点満点)、体育と健康(30点満点)、合わせた総合得点は750点となっています。

跨学科案例とは2022年から上海で新しく導入されたテスト項目で主に地理と生命科学を扱うテスト内容になり基礎知識に合わせて実際問題を扱うものになっているそうです。

今回は二都市を例に挙げて紹介しましたが、総合得点が700から800点というところが多いようです。1000点満点というところもあり、地域によって教育方針の違いがみられます。

「中考」の成績で中学を卒業できるかどうかが決まる?!

教育部の通知で、各地の設定した最低点数に満たなければ中学の卒業証書を出してもらえません。

それで、全国の中学三年生は必ず「中考」を受けることになっています。

高校への進学率は各地で若干の差はありますが、職業高校などを含めると90%を越えています。ちなみに日本は高校進学率98%になるそうです。

中国の高校受験。中学の門の写真
(中国の中学の門)

「中考」対策

「中考」対策として、放課後や週末に子供を塾に通わせる父兄が多く見受けられます。塾へ通わせるための教育費の高騰による経済負担、小学生の時から宿題の山と格闘する子どもたちにのしかかるストレスも社会問題となっていました。

新たな教育政策

宿題や成績へのストレスが原因で飛び降り自殺を図る子どもたちが増えていることなどを受け、2021年に教育部は「双减政策(シュアンジエンジェンツェアー)」と呼ばれるあらたな教育政策を発効しました。

この政策の主な目的は義務教育過程の子供たちの宿題および校外活動への負担を減らすこと、教育の中心を学校に戻すことです。

これにより小学1、2年生の宿題カット、小学3~6年までは60分以内の宿題、中学生は90分以内の宿題に限られることになりました。

塾に関しては塾料の上限設定や、新たな塾の参与が認められないこと、法定休暇は開講禁止及び長期休暇などの休日は学科クラス開講禁止、クラスの人数制限など細かな規定が決まりました。

これにより、多くの塾が調整をしていてそれに合わせて父兄たちも子供への教育スタイルを調整しているようです。

新学期は9月スタート

6月に大きなテストを受けたら6月末に期末テストを受け、新しい学校の説明会などに行ってからそのあとは7月から夏休みに入ります。そして9月から新学期がスタート。高校から寮に入る子どもたちも多いので夏休みは帰省をしたり準備に大忙しになります。

まとめ

子どもたちが大きくなったときに苦労させたくないから、それなりにいい高校・大学に進学させたいという熱い願いを持つ父兄さんによく会うので、子供の将来を案じるのはどこの親も同じなんだなと感じます。みなが穏やかでストレスのない生活がおくれたらいいですね。

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