
中国の春は食べ物も豊富
春節の後、数週間もすると中国にも陽気な春がやってきます。春になるといろいろな植物が芽吹き、緑の野菜が美味しくなりますよね。今回は中国の春にどんな食材を楽しむのか紹介していきますね。
筍

春は中国も筍の旬を迎えます。食べ方は、まずは筍を適当な大きさに切って水煮をしてアク抜きをします。それから豚肉と一緒に炒めたり、煮付けにしたりします。
筍は中国語で竹笋(ジュースン)と呼び、アクのことを青酸(チンスアン)と言います。
香椿(シャンチュィン).チャンチン
日本語ではチャンチンと呼ばれる中国特有の落葉広葉樹の若葉です。見た目はタラノメに赤色の差し色を入れてさらに少し大きくした感じです。
独特の苦味と風味があります。風味を抑えるために薬味と和えて中国式おひたしにしたり、卵と一緒に炒めていただきます。
ちなみに椿という漢字が使われていますが、日本の椿とは一切関係がありません。椿は中国語で山茶(シャンチャ)と呼びます。

青团(チントゥワン)

中国のよもぎ餅です。元々は、4月に行われる清明節の宗教議式用として作られていたようです。
現在では、踏青(ターチン)と呼ばれる春のピクニックのお供として広く出回っています。
よもぎを練り込んだお餅の皮の中に、肉松(ロウソン)と呼ばれるお肉で作ったふりかけのようなモノと乾燥した卵の黄身を混ぜた餡や、黒胡麻とピーナッツで作った餡、もしくはあんこが入ったバージョンがあります。
西梅(シーメイ)
西梅とはバラ科サクラ属のプルーンのことで、生のまま皮ごといただきます。日本では珍しいですよね。生のプルーンは乾燥させたものほど甘くなく、酸味を感じます。食感はアメリカンチェリーのように少し硬さを感じますが、ジューシーで熟せば熟すほど柔らかくなります。
ちなみにプルーンはバラ科ですので、カバノキの花粉アレルギーを持っている方は気をつけて召し上がってください。喉の痒みなどアレルギー反応が出るかもしれません。
ドリアン
熱帯地方の「フルーツの王様」ドリアンの旬は春です。中国語では榴莲(リィウリエン)と言います。
鼻をつく独特の香りを苦手とする人は多いですが、一口食べればその匂いも気にならなくなるほどの美味だそうです。アイスクリームのような、バターのようなトロッとした食感と濃厚な甘みがクセになる、そうですが、わたしは強烈な匂いをいまだに克服できず食べたことがありません。。。
いつか勇気を出してドリアンキャンディーを食べてみましたが、味がどうのというより口に含んでからも漂ってくる香りに耐えられず飲み込むことができませんでした。
ドリアンが大好きな人からすると、ドリアンを使ったケーキやキャンディーなどよりも直接生のドリアンを食べた方がおいしさは伝わると言いますが、実際どうなんでしょう。。。
ちなみにドリアンピザというものもあって専門店まであります。一度食べたら病みつきになるようですが、たくさん食べると漢方用語で上火(シャンフオー)といわれる口内や肌が荒れたりする症状が出やすいフルーツに属するそうで、漢方医学ではあまり頻繁に食べない方がいいとされています。
また、ドリアンにもリンゴやバナナなど他のフルーツと同じように、いくつか品種があるそうで、それぞれさっぱり系やコッテリ系など味や香りにもいろいろな違いがあるそうです。奥が深いんですね。
タニシ

川の中にいる小さな貝タニシ、中国では人気のある食材です。一年中食べられていますが、旬は春になります。
1番メジャーな食べ方は広西省チワン族の特産、螺蛳粉(ルオスーフェン)と呼ばれるライスヌードルを使った麺料理です。
タニシ自体に香りはほとんどないのですが、発酵させた酸笋(スアンスン)と呼ばれる筍の保存食を使うので独特のすえた香りがします。匂いも残りやすく、室内で食べると2、3日香りが部屋の中に残っていることもしばしば…。
これはわたしも食べれます。実際広西省に行って本場の螺蛳粉を頂いたことがあるのですが、コクのあるタニシの出汁たっぷりのスープに太めのプリプリした麺が絡まってとても美味しかったです。
また香辛料をたっぷり入れたタニシ炒めも人気です。タニシはとても小さいのですが、皆上手に吸ったり爪楊枝でつついたりして中の肉を取り出して食べます。
螺蛳粉は東京の高田馬場に1店舗専門店があるようです。日本でもハマっている人がいるとかいないとか!?
ネットでも購入できるようなので興味ある方は自宅で異国の文化に触れてみるのも面白いですね。
まとめ
日本からこんなに近い国でも、同じ季節に食材に違いがあったりして面白いですね。皆さんもコロナには気をつけながら春ならではの大地の恵みを満喫されてくださいね。
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