
中国でゴミの分別収集が始まる!ゴミの出し方や街の声をまとめてみました
2019年7月から上海を筆頭に中国でもごみの分別収集が始まりました!
日本の方なら「え?それって普通なんじゃないの」と思われるかもしれませんが。
中国人にとってこれは生活スタイルを一気に変える大きな変化なんです。
今回は何がどう変わったのか、以前はどのようにゴミを捨てていたのかレポートしたいと思います。
中国のゴミ事情-今と昔-
中国では上海だけでも毎日85トンものゴミが出ていると言われています。
そんな中国のいままでのゴミ事情は、いたってシンプルでした。
家の中のゴミも、レストランで出るごみも、オフィスで出るゴミも全部、路上に設置してある大きなゴミ箱に捨てればOKだったんです。
このゴミ箱は、人通りの多い路上なら3,4メートルにひとつは設置されています。
中大都市はたいていの人が日本で言う集合団地もしくはマンション群に住んでいて、敷地内にもたくさんのゴミ箱が設置されています。
しかも、365日24時間いつでもどんなゴミ(家電や電池もOK)でも捨てることが可能です。
それで、中国人に分別って何?と真面目に聞かれるほど、ゴミ分別という概念が全くありませんでした。
ただ、年々とゴミが増えていき、どの街の埋め立て地も満タンになっていくにつれてゴミ問題は大きな社会問題となってきていました。

それで実は数年前からゴミ分別への切り替えが着々と進んでいて、路上のゴミ箱に分別方法が表記され始めていました。
が、法律で分別が定められているわけではなく、結局どのように捨てても同じゴミステーションに届き一緒くたに焼却処理もしくは埋め立て処分されていたので、分別のしようがない状態でした。
日本に造詣のある人は、日本の細やかなゴミ分別方法を話題にしては、信じられないという感じで‘私には到底無理だ’なんていうのがお決まりだったんです。
ゴミ分別収集が始まる!
それが2019年に入って事情がガラッと変わりました。
試験的にまず上海からごみ分別が始まるとのお触れが出たのです。
上海市民は、実際に団地に専用の鍵付きゴミ捨て場(なぜ鍵付きなのかは後ほど触れます)ができていく様子を見て驚き、ほかの都市の人たちもいつから自分の街でも始まるのだろうと興味津々でこのニュースに注目しました。
この記事を書いている現在(2020年4月末)、上海市民の人たちはだいぶゴミの分別に慣れてきているようです。
上海のゴミ分別法
現在、上海ではゴミを大きく4種類に分けています。
- 可回収物(紙類、プラスチック、ガラス、金属、衣類など)
- 有害ごみ(電池、蛍光灯、薬など)
- 湿ごみ(生ごみ)(食品、植物など)
- 乾ごみ(可燃ごみ)(①-③以外のゴミ全て)
さらにゴミを捨てることができる時間は午前7-9時と午後5-7時までと定められました。
時間外にごみを捨てることができないように、ゴミ捨て場にはしっかりと鍵がつけられています。
ゴミがちゃんと分別できているかチェックするために、居民委員会という行政が組織しているおばさまをメインにした団体がゴミ捨て場を管理していてゴミを持っていくと「あなたのゴミは何?」と聞かれます。
もし意図的に法を犯した場合は、200CNY(約3000円)の罰金がとられます。
いままでゴミを分別したことのない人にとって、ごみを4種類に分けて時間通りに捨てるというのは、とんでもなく至難の業のようで。。。混乱する人が続出しました。
みんなが尋ねた「生ごみって何?」
とくに中国では生ごみがよくでます。
これは食事の量は多めに作って余らせるという中国の風習が深く関係しています。
お客様をもてなすときは、食べきれない量のおかずを出すことがマナーです。
ここ最近は、その風習は環境に悪いとの認識が深まり、レストランには「頼んだ料理は食べきろう」という張り紙が貼られるようになりましたが、それでも生ごみはなかなか減らないようです。
実はこの生ごみ、ゴミ分別が少し難しいんです。
例えば、日本では生ごみにあたる動物の骨(中国のお肉は骨付きが多い)や魚介類の殻、ナッツ類の殻は、可燃ごみに分類されます。
ネット上では、リンゴの皮は何ゴミ?バナナは?なんていうスレッドがたくさん並びました。
日本人のわたしも、政策が始まってすぐに上海在住の友人宅に泊りがけで遊びに行った際にゴミ分別をする新たな生活を体験したのですが、生ごみと可燃ごみの分け方にとても戸惑いました。
湿ったごみは全部生ごみなのかと思えばそういうわけでもなく。。
湿っていても硬くて食べることができない物は基本的に可燃ごみになるようです。
上海市以外でのゴミ分別収集
2020年5月現在、北京や深圳、成都など46カ所の都市でゴミ分別が実施されています。
中国の都市計画では2025年度までにすべての街で実施される予定です。
ゴミ分別を始めて

ゴミ分別が始まって、街並みがさらにきれいになったように感じます。
以前の中国を知っている方からすると、今の変化は大きく感じられると思いますよ。
機会があれば、ぜひ実際にその変化を体験しに来てみてくださいね。
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